2018年01月21日

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと

本日はクリス・ベイリー氏の
世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと
です。
世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

本書の著者は大学を卒業後、就職せずに、
AYOPと名づけた生産性向上のプロジェクトを開始。
さまざまなメディアからも注目を浴びました。

その集大成として著した「A Life of Productivity」は
FORTUNE誌のベスト・オブ・ザ・イヤーを獲得。
その邦訳が本書になります。

「生産性を高める仕事術」といったテーマの
類書は多数存在しています。
その中でこの本のすごいところは、
単にテクニック論で終わっておらず、
生産性にまつわる思想にまで踏み込むことです。

例えば、著者は何のために生産性を上げるか、
その明確な目標がないと、
そもそも生産性など上がらないと主張します。

当たり前のようですが、
生産性なんて高いほど良いのは当たり前なので、
意外に見落としがちなポイントです。

働き方改革などと言われていますが、
個人にとっては、何のために働き方改革をするのか、
そこから考えていくべきだと思わされた一冊でした。


個人的には、
生産性の高い時とはじっくり考えながら
仕事をしている時である
という部分が印象的でした。

機械的な仕事をテキパキとこなしている時、
人は生産的になったように感じるものです。

しかし、俯瞰してみた時、それは目標達成に
寄与していないことが多いです。
つまり生産性がそれほど高くないわけです。

いくら速く走っても、方向が定まっていなければ、
生産性が高いとはいえません。
このことは十分注意しなくてはいけません。


労働時間を減らしたいと強く願う人にお勧めの一冊です。
ここには生産性を高めるアイデアが満載です。
一つでも成功すれば、簡単に元が取れることでしょう。

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engineer_takafumi at 22:13|PermalinkComments(0)★一般書の書評 | ⇒ 仕事術、思考法・ツール

2018年01月20日

鈍才が7件で何故成功できたのか

本日は清水優 氏の
鈍才が7件で何故成功できたのか
です。
鈍才が7件で何故成功できたのか

本書は著者よりご献本頂きました。
清水様ありがとうございました。

本書は1956年に東京大学理学部化学科を卒業され、
丸善石油(現コスモ石油)に入社、
石油化学の研究開発、企画、装置の建設・運転に従事、
50歳からバイオの基礎研究に分野を移して、
丸善石油の子会社の代表取締役として活躍された、
という著者による一冊です。

本書には著者が自分の仕事の殻を破りながら
成果をあげた7件の事例を中心に、
当時、成功を収めた著者の働き方を説いたものです。

成果もさることながら、
仕事の詳細まで克明に記されていて、
著者の記憶力に驚きました。


おそらく著者の世代には、
各方面で著者のような気概を持った方々がいて、
今の裕福な日本の土台を作ってくれたのです。

現在の日本経済は決して楽観はできませんが、
先輩達をがっかりさせないように、
がんばっていかなければなりません。


個人的には、昔の働き方が印象的でした。
今となってはインターネットなしでの
仕事など考えられませんが、
当時は打ち合わせを設定するのも電話で、
これほど大変だったのですね。

50〜60代のビジネスパーソンにお勧めの一冊です。
一世代上の活躍に元気をもらえることでしょう。

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2018年01月18日

大量生産品のデザイン論

本日は
大量生産品のデザイン論
です。
大量生産品のデザイン論 経済と文化を分けない思考 (PHP新書)

本書は「明治おいしい牛乳」や
「ロッテ キシリトールガム」など
ロングセラーとなった商品のデザインを多数手がけた
グラフィックデザイナーによる一冊です。


デザイナーの世界では、日用品のような大量生産品の
「デザイン」をタブー視する傾向があるそうです。

つまり、特別なもののデザインが本当のデザインで、
日用品のようなデザインは格の低い仕事と見られるわけです。

しかし、大量生産品のデザインを多数手がけてきた著者は、
決してそんなことはない、と言います。

日用品には、日用品のデザインがあるのです。
本書にはその意図が説明されています。
陳列の方法なども考慮されたデザインの意図を知ると、
本当にこれだけのものに命が吹き込まれているのだ、と感じます。

さらに、デザインを特別なものと見ることは危険とも言います。
というのも、デザインが特別なものであれば、
逆に「デザインは無くても大丈夫」ということになるからです。

デザインは目的ではなく、目的を果たすためのプロセスです。
世界のあらゆるところに存在し、必要とされているのです。


個人的にには、
著者が「おいしい牛乳」のデザインを手がけたというと、
「えっ? あの牛乳の? あれのどこがデザインなんですか?」、
と返され、それがとても嬉しかった、
という話が印象に残りました。

本当に自然なデザインというものは、
それを意識させないものなのかもしれません。


食品など、日用品のメーカーに勤める方にお勧めの一冊です。
製品と社会のコミュニケーションを考え直す、
きっかけになってくれることでしょう。



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engineer_takafumi at 21:37|PermalinkComments(0)★一般書の書評 | ⇒ クリエイティブ

2018年01月14日

レトリック感覚

本日は佐藤 信夫 氏の
レトリック感覚
です。
レトリック感覚 (講談社学術文庫)

本書は比喩を勉強しようと思って読んでみました。

比喩というと、直喩と暗喩が頭に思い浮かぶでしょう。
「〜ようだ」をつける直喩と比喩だと明示しない暗喩です。

しかし、直喩と暗喩に表現として、どのような違いがあるか
知っている人はほとんどいないと思います。

また、比喩表現は直喩と暗喩だけではありません。
例えば、ヒゲの生えた人を「ヒゲ」と呼ぶような表現、換喩。
そして、「食料をくれ」という意味で「米をくれ」と表現する、提喩。
実は、世の中の表現は驚くほど比喩表現に溢れているのです。


本書は比喩表現の文法書、のようなものかもしれません。
定義にページを使ったり、論理的な説明が展開されています。

でも、文章を書くことは、もっと感覚的でないか、
と感じる人もいるかもしれません。

ただし、いい文章を書くのに、文法の知識は必須だと思います。
形容詞を省いて、固有名詞を増やしなさい、
と言われても文法を学んでいないと理解できません。

それと同様に、本書で比喩の表現を論理的に学ぶことにより、
世の中の様々なレトリック(修辞法)について理解が深まり、
自分が使うときに、大いに役立つものだと思っています。


個人的には、提喩の説明が心に残りました。
「雪」を「白いもの」と表現することに
これほどの効果があるのですね。


小説を書く人は必読の一冊だと思います。
理論を知ることにより、
表現のレベルを大きく向上させられるでしょう。


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2018年01月10日

証券市場誕生!

本日は日本取引所グループ の
証券市場誕生!
です。
日本経済の心臓 証券市場誕生!

本書は出版関係者の方よりご献本頂きました。
オトバンクの上田様、ありがとうございました。


本書は東京証券取引所と大阪証券取引所を
運営する持株会社である日本取引所グループ(JPX)が
日本の証券市場の歴史を書いたものです。

日本の取引所の歴史は、17世紀に大坂の堂島に作られた
堂島米会所にさかのぼります。

そして、これはなんと世界初の公設の
証券先物取引所となったのです。

そして、明治の動乱期に渋沢栄一や今村清之介、田中糸平らに
よって日本に近代的な証券取引所が設立されるのです。

それから、戦後から現在までの、
証券市場の変化の歴史も記されています。

読むだけで知的好奇心が満たされて面白い上に、
写真や資料なども多く、資料としての価値もある一冊です。


個人的には、戦前・戦中の証券取引の様子が印象的でした。
東京大空襲の時でさえも1週間ほどしか取引停止しておらず、
終戦の5日前まで取引が行われていたのです。

証券取引をする人は一読して損のない一冊でしょう。
証券の歴史を知り、深く理解することは
取引にもプラスの影響を及ぼすのではないでしょうか。

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engineer_takafumi at 01:13|PermalinkComments(0)★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

2018年01月08日

人工知能がほぼほぼわかる本

本日は坂本 真樹氏の
人工知能がほぼほぼわかる本
です。
坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本

本書は電気通信大学で教授として人工知能の研究をされており、
メディアでも幅広く活躍されている著者による、
人工知能の入門書です。

マンガやふきだしがたくさんあって読みやすい中にも、
ニューラルネットワークやディープラーニングなど、
難しい概念が理解できるように配慮されています。

特に2章の「人工知能に入れやすいものと入れにくいもの」
という切り口は、他の本ではあまり見られなかったので、
参考になりました。

人間の知能を実現するには、知覚を研究することが
必要不可欠なのです。


個人的には著者が研究されている
オノマトペ生成の人工知能が印象的でした。


ある程度体系立てて、しかも易しい本で、
人工知能を学びたい方にお勧めの一冊です。
図や絵がわかりやすいのでサラサラ読みながら
人工知能の要点を学べることでしょう。


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engineer_takafumi at 19:30|PermalinkComments(0)★理系本の書評 | ⇒ コンピュータ・情報科学

2018年01月07日

人工知能

本日はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部の
人工知能
です。
人工知能―――機械といかに向き合うか (Harvard Business Review)

本書はハーバードビジネスレビューで大好評であり、
現在は品切れで入手できないという
人工知能特集号の論文をまとめて書籍化したものです。

人工知能の本は多数存在していますが、
AIの権威達による論文がこれだけまとめて読める
という機会はそれほど多くはないでしょう。

それも、テクノロジーのエキスパートから、
ビジネスのエキスパートまで多彩な専門家達ですので、
様々な視点でAIを考察することができます。

あたらめて感じたことが、
人工知能は人間の知能と対となるべきことなので、
人工知能が何の役に立つかという問いに答えるためには、
人間の知能がどのようなものか、何ができるのかを
深く理解しておかなければならないのです。

本書を読めば、人工知能は人間と比較して何が優位なのか、
そして、人間に追いつけないのはどのような分野なのか
ということが見えてくると思います。
それは単純に、感情やクリエイティビティといった言葉で
一言で表現できるものではありません。


個人的には、
「グーグルは組織をデータで変える」
という章が大変興味深かったです。


特に人工知能と人間の関係について、
考察したい人にお勧めの一冊です。
人工知能の可能性が浮き彫りになることでしょう。

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engineer_takafumi at 17:41|PermalinkComments(0)★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

2018年01月06日

人工知能は人間を超えるか

本日は松尾 豊氏の
人工知能は人間を超えるか
です。
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

本書は東大の准教授による人工知能の入門書です。

10万部を突破して、東大生協で1位を獲得したという
実績のある本になります。

ディープラーニングの理解に必要な本質的な部分が、
とてもシンプルにまとめられているので、
近年のAIのブーム(?)がなぜ起きたのか、
専門知識のない人でも理解できると思います。


人工知能を勉強して感じるのが、
自分たちの「知能」とは何か、ということを
考える良いきっかけになるということです。

われわれが何気なくやっていることでも、
アルゴリズム化がとても難しく、
コンピュータにしてみれば非常に高度な判断が
たくさんあるのです。

人工知能の研究はAI技術の進展だけでなく、
人間が自分の頭の使い方を見直し、
さらに進化するきっかけになるのかもしれません。

実際に将棋の世界では、
棋士がコンピュータの手を研究することにより、
さらなる高みへ到達しているようです。

人間かAIか、ではなく、
その中間に最適解が存在しているのでしょう。


個人的には、著者が、
人間の知能はプログラムで実現できないはずはない。
という態度を貫いていることが印象的でした。

人工知能を勉強してみたい人が
まず最初に読む本としておすすめです。
より速く、本質的な理解を得られることでしょう。


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engineer_takafumi at 16:58|PermalinkComments(0)★理系本の書評 | ⇒ コンピュータ・情報科学

2018年01月03日

スタンフォード式 最高の睡眠

本日は西野精治 氏の
スタンフォード式 最高の睡眠
です。
スタンフォード式 最高の睡眠

本書はスタンフォード大学の医学部教授である
日本人医師による睡眠の本です。

睡眠というテーマは皆が関心のあるテーマで
たくさんの本がありますが、
この本の特徴は医学的なエビデンスがある、
ということです。

眠りは主観的な本も多いのですが、
本書は医学の研究者が書いた本ということで、
データに裏づけされたことしか書かれていません。

一方で、不眠には「プラセボ(偽薬)効果」が高い、
という話もあるので、本人が信じるのであれば、
それはそれなりに効果のあることかもしれません。

ただし、医学的エビデンスにこだわる人にとっては、
睡眠の質を上げるために最高の一冊となってくれるでしょう。


個人的には、睡眠と体温の関係のところが
大変参考になりました。
眠くなると手が暖かくなると感じていましたが、
それには確かな理由が存在していたのですね。


忙しいビジネスマンにお勧めの一冊です。
ロジカルな人に受け入れられ易い本ですので、
ビジネスマンの睡眠の質を高めてくれると思います。


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engineer_takafumi at 18:44|PermalinkComments(0)★一般書の書評 | ⇒ その他の本

2018年01月01日

神話の力

本日はジョーゼフ キャンベル氏、ビル モイヤーズ氏の
神話の力
です。
神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)


神話は物語の中でも根元的な位置にあります。

というのも、民族や人種を超えて、
あらゆる人間が持っているものだからです。

もちろん、文化が違うので、
それぞれの神話は一見異なります。

しかし、その中にも共通する部分が
かなり見えてくるのです。

神話を研究し、その共通部分を分析し、
説明してくれるのが本書になります。

男とは、女とは?
宗教的な儀式が人に与える意味は?
生とは、死とは?
など、人種や民族を超えて、
我々のDNAに何が刻まれているのか理解できます。


難解な話も多いですが、会話形式を取っていて
読みやすくなるように配慮されています。

また、神話の物語の公式はあちこちで使われていますので、
「あれはそういうことだったのか」という
気づきをたくさん得られることでしょう。


個人的には、
犠牲(いけにえ)の意味について書いた部分が
非常に印象に残りました。


物語を作る人には必読の一冊だと思います。
人が本質的に惹かれるストーリーとは何なのか、
そのヒントが得られるでしょう。


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2017年12月29日

マクニール世界史講義

本日はウィリアム・H. マクニール氏の
マクニール世界史講義
です。
マクニール世界史講義 (ちくま学芸文庫)

高校時代、世界史を勉強している時に、
固有名詞ばかり並べずに、
もっと抽象化して、時代の流れを教えて欲しい、
と思ったものです。

本書は、そんな願いにピッタリの一冊で、
名著 世界史 の著者が、歴史の構造、
時間軸を学ぶために書いた本です。

個別の事象よりも、
そこにどんな力学が働いていたか、
ということに焦点が当てられています。

テーマとしては、
旧世界(西ヨーロッパ)とフロンティア(新大陸)、
歴史のミクロとマクロ(人個人の生活から歴史を演繹)、
国やシステムの統制と破綻のメカニズム、
について語られています。

読む前は、高校の時にこんな本があれば、
と思ったのですが、読んでわかったことは、
個別の知識が十分ないと抽象化されても
十分には理解できないということでした。

やはり、高校時代にはあの勉強方法しか
なかったのかな、と感じました。


個人的には、世界史において、
戦争や経済よりも病原菌が決定的に重要、
という部分が印象的でした。

改めて歴史における病原菌の影響の大きさに
気づかされました。


高校でしっかり世界史を勉強して、
大学でも世界史を学ぼう、という人に
お勧めの一冊です。
知識の織物に、今までなかった糸を
通してくれることでしょう。

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2017年12月26日

デザイナー・ベビー

本日はPaul Knoepfler氏の
デザイナー・ベビー
です。
デザイナー・ベビー ゲノム編集によって迫られる選択

「遺伝子組換え」(ゲノム編集)というと大勢の人が
危険なにおいを感じることでしょう。

しかし、実際のところ、遺伝子組買えの農作物などは
それほど危険なものではありません。

というのも、品種改良という形で、
似たようなことを昔からやってきたからです。


しかし、人間にそれを適用するとなると、
問題は非常に複雑になります。

例えば、実験に失敗はつきものです。
初のクローン羊であるドリーが生まれたとき、
それ以前に実験は400回以上失敗していました。

動物なら、それでも良いでしょう。
しかし、人間になるとその400個以上の命はどう考えるのだ、
ということになります。

また、遺伝子組換えを行う赤ちゃんをつくり出すとき、
親などがその判断をするのでしょうが、
当事者の赤ちゃん自身の同意は得られないのです。

ゲノム組換えは、何となく怖いと思っていましたが、
その本質を学ぶことができる一冊でした。
簡単な問題ではありませんが、ただ嫌がるのではなく、
正しく恐れなくてはいけません。


個人的には
ヒトは他の生物の遺伝子を組換えることができる
唯一の生物ではない、
という部分が印象に残りました。


生物学を志す人には一読して欲しい一冊です。
自分の学ぶ学問の社会への影響力を知り、
いい意味での緊張感を持たせてくれるでしょう。


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engineer_takafumi at 22:49|PermalinkComments(0)★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

2017年12月23日

ゲノムが語る生命像

本日は本庶悠 氏の
ゲノムが語る生命像
です。
ゲノムが語る生命像 (ブルーバックス)

本書はブルーバックスのベストセラーで
1986年に出版、その後24刷まで版を重ねたという
『遺伝子が語る生命像』の著者が、
「遺伝子」を「ゲノム」に変更し、
その間の生命科学の発展を盛り込んだものです。

生物が専門でない私にとっては、
若干難しい部分もありました。
しかし、全体が52節に分割されており、
ある程度の独立性があるので、読みやすいです。

生物の専門知識の勉強になるだけでなく、
ある事柄の生命科学全体における意味や、
著者の生命に対する哲学なども書かれており、
全体を俯瞰しながら、読むことができました。


個人的には、
人間のゲノムには非常に無駄が多い(冗長的)だが、
それが人間を繁栄へと導いたのではないか、
という部分が非常に印象的でした。


高校の生物程度の素養のある方が、
生命科学の進展を勉強したい時にお勧めです。
思想から、少し専門的なことまで、
1冊で幅広く学べることでしょう。


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engineer_takafumi at 18:20|PermalinkComments(0)★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

2017年12月22日

ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?

本日は高橋 祥子 氏の
ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?
です。
ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか? 生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来


本書は第一線の研究者(東大博士)であり、
注目の若手起業家でもある高橋祥子氏が
「生命科学で今何が起きているか?」を語る一冊です。


生命科学は猛烈に進化しています。
13年前にはヒト一人のゲノムを解析するのに
3500億円と13年かかっていたののが、
今では10万円と1年で終わるらしいです。

この変化が、研究の方法そのものを変え、
さらに発展を続けています。

今は夢物語と思っていることが、
意外に早く実現できてしまうのではないか、
という期待を感じさせられました。


ただ、問題もあります。
特に生命科学には、いくらテクノロジーが発展しても、
解決できない問題もあるのです。

最後の50ページほどは、テクノロジーの発展と、
心理的、法規的な社会の受け入れ体制について
語っています。

テクノロジーはどんどん発展しますが、
人間はそんなに早く前に進めないものなのですね。

著者も色々たたかれているのでしょう。
しかし、研究者でありながら事業を立ち上げた才能を
ぜひ、この国のために役立ててもらいたいものです。

そのために自分が何ができるか、考えてみます。


個人的には、「遺伝子」と「ゲノム」の違いが
わかったことが収穫でした。
似ているようで、微妙に意味が違うのです。


生命科学を志す高校生に読んでもらいたい一冊です。
急激に発展するテクノロジーの中で、
自分の夢をふくらませることができるでしょう。

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2017年12月20日

サバイブ(SURVIVE)

本日は麻生 羽呂氏、篠原 かをり氏の
サバイブ(SURVIVE)
です。
サバイブ(SURVIVE)――強くなければ、生き残れない

本書は異色のビジネス書です。
自然界の生物がどうやって優位性を作って、
生き残っているかを学び、
競争優位性の本質に迫ります。

例えば、シャチのように賢くて、強い、
というのはとてもわかりやすい優位性です。

しかし、そうでない優位性もあるのです。
例えば、そもそも争わない(仲良くする)、
他の生物が生息できない環境に適合する、
捕食されないために、自分をとにかく不味くする、
といった切り口があります。

生物の目的は遺伝子を残すこと、
すなわち生き残ることです。

これは人間を含め、生物には共通しますが、
その手段があまりに多彩なことに驚きます。

特に、一見弱いものには、
学ぶことが多いのではないでしょうか。


個人的には
得体の知れないものには、不思議な魅力がある、
という箇所が心に残りました。


経営戦略を考える方にお勧めです。
「異なる業界から学べ」はよく言われることですが、
まさにそのヒントが詰まっている一冊でしょう。


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