2008年02月11日

国家の品格

今回紹介する本は、藤原正彦さんの
「国家の品格」です。
国家の品格 (新潮新書)

今、○○の品格という本が、沢山作られていますが
その先駆けとなる本です。

著者の藤原さんは、数学者です。
数学者といえば、一般人から見れば、論理的で
人間味が欠けるというようなステレオタイプを
当てはめてしまいがちだと思います。

しかし、本書で藤原さんが語るのは
「論理だけではだめだ」とか
「情緒を重んじよ」とか
イメージに合わないことばかりです。

それらは論理を極めた人の発する言葉で
あるがゆえに、言葉の重みが違います。
真に優秀な科学者は、論理だけでは
ないということでしょう。

内容のメインは日本のあるべき論なのですが、
理系スタイリストの私としては、
この本を数学者が書いている意味を同時に
考えていきたいな、と感じました。


論理だけでは世界が破綻する
理論というものは、現実世界に適用するには
決して完全なものではありません。
その理由は大きく2つあります。

まず、論理は出発点が必要ということで
その出発点が間違っていれば、いくら論理が
正しくても正解は得られません。

計算をするのに、電卓に間違った値を入力
しても、間違った答えしか得られません。
現実社会には、そもそも前提条件を
間違えた論理が沢山存在します。


もう一つは、現実社会の論理の鎖は完全で
ないということです。

数学だと「三角形の内角の和は180度」
などと、100%正しい論理で展開されるので
結論も全て正しいといえるます。

しかし「東大生は頭がいい」とかの理論だと
必ずしも正しいとは言えないので、
その理論は完全とはいえません。
現実社会には0も1も(例えば、完全な悪
とか完全な善)は存在しないので
理論には必ず不確定性を含むことになります。


天才の出る風土
著者は、天才科学者達の生涯を調べ、
天才の生まれる条件を3つ挙げています。
これを見ても、真の偉大な科学者は
論理性だけでなく、情緒性を併せ持つ
ということがわかります。

“の存在
美しい自然が存在すること。
特に数学の天才は美しい自然無しには
生まれないそうです。

跪く心
一言でいうと、信仰心です。
神や先祖や伝統など、人としての自分の力
を超えた何かを、信じることです。

精神性を尊ぶ風土
例えば数学だと、工学とは違って、
直ちに社会の役に立つ、(カネを生み出す)
というわけではありません。
しかし、そういう役に立たないものに対して
理解のある風土が必要です。







engineer_takafumi at 03:42│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ エッセイ

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