2008年08月30日

ものづくり道

今日は西堀榮三郎氏の
ものづくり道
です。
ものづくり道

本書は西堀榮三郎さんという偉大な先輩の存在を知り、
氏の思想に触れたくて、手に取りました。

西堀氏は東芝で真空管や半導体の基礎を築いた方です。
また、日本に初めて統計的品質管理を導入し、
「品質の日本」の土台を作られて、
デミング賞を受賞されました。

その技術者としての活動以外にも、
登山家や探検家としても知られ、
ヒマラヤ登頂や南極探検などで、
隊長としても活躍されています。

西堀氏が活躍されたのは、
欧米に追いつけ追いつけの時代で、
単に海外のものを取り入れれば良いという風潮に対し、
苦労されたようでした。

手法自体は、今となってみれば当たり前ですが、
新しいことを始めるということは大変なことだと
改めて痛感しました。


さらに、南極やヒマラヤなど極限を体験した著者の
自然観、技術観は深みがあり、
非常に興味深いものでした。

特に技士道という考え方には心を打たれました。

技術者であるならば、
ぜひ一読しておくべき本だと思います。



何かやめとこうと思うなら会議をやれ


西堀さんがいうようにそんないいものだったら、
とっくの昔に外国でやっているはずじゃありませんか


組織なり集団が大きくなればなるほど、
往々にして目的を明確に打ち出すことをしなくなるというか、
企業の存在自体が当然のことのように
考えられ始めることである。


俺も登りたいという隊員の気持ちを押さえきれずに、
無理をしてもう1パーティーを出したために遭難したという例を、
私は知りすぎるほどに知っていたのだ。


そもそも組織論でいえば組織は小さければ小さいほどよい。


実験というものは、自分で装置をこしらえ、
自分でやるということがきわめて大事なことだ。


半導体理論というのは要するに、
完全に近い結晶は電気の流れを悪くするので半導体にはならない、
半導体には結晶欠陥がなければならない、というものである。


「本当は自分がやるべきところを、他の人にやってもらっているんだ」
と考えることで、そうすることによって無責任に作ることもなくなり、
検査してくれている人への感謝の念がわいてくるのである。


自然を破壊するのが技術だといっているが、
それは自然の味方が狭すぎるからそうなるのであって、
人間の手を加えていないものだけが自然ではないんだ。






engineer_takafumi at 23:26│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 理系の人・理系社会

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