2009年11月04日

環境を知るとはどういうことか

本日は養老孟司氏と岸由二氏による
環境を知るとはどういうことか
です。


本書はPHPにてサイエンスの新シリーズが創刊されて、
創刊同時刊行ということで興味をもちましたので購入しました。


内容は、鶴見川や小網代の環境保全にかかわってこられた岸さんと
養老さんの対談形式になっています。

サブタイトルに「流域思考のすすめ」とついていて、
川の流域を中心とした行政を語っています。

いかに、日本人が「川」になじんだ生活をおくってきたか、
そして現在はその考え方が失われつつあり、
危機感をもって著者がどんな活動を行っているか、
そんなことが書かれています。

環境の本は色々ありますが、
こんな切り口も面白いなと思いました。



(著者が)
自然と聞くと体に染みついた近くの川や雑木林などを
思い出すのがほとんどなのに、
世間が自然について語るときは遠いアフリカの草原や
サンゴ礁の島の話ばかりでてくる。


驚くべきことに、下水処理場の機能は町の汚い水を集めて
川に捨てることだと信じている子どもがいます。


「水清くして魚棲まず」じゃないけれど、
蒸留水の中に魚が棲むはずがない。
でも日本人は、数値が低いほどいい水だと考えてしまうわけですね。


行政にしてみれば、市民活動を下支えしたり連携するのは
公平さや透明さに気を遣いながら頑張るエネルギーが
必要になりますが、萎縮するのは楽。
(中略)
役人を叩けば叩く程、役人は小さく縮んでいればよい。


河川学習についても、支援を受けた子が、
どこの大学に何人入ったか調べろだなんて、
笑ってしまうような指示が出かけたことがあったと聞いています。







engineer_takafumi at 06:00│Comments(0) ★理系本の書評 | ⇒ 地学・環境・宇宙

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