2009年11月17日
洗脳原論
本日は苫米地英人氏の
洗脳原論
です。
本書はビジネス書のトリセツで紹介されており
興味をもって購入しました。
基本的に学者の本という色合いが強く、
第一章、第二章は難解な用語で抽象的な議論が続き
読むのをやめようかとも思いました。
しかし、中間から終わりにかけては、
内容が具体的に理解しやすくなっていきました。
やはり、オウムの洗脳を解いたという圧倒的な実例が
学者の本をリアリティあふれるものにしています。
世の中に希望が見えない中、
カルトの魔の手は日常に迫っています。
自分や大切な人がカルトにのめりこむことの無いよう
本書に書かれている知識は、一般教養として持つべきでしょう。
また、日本に哲学や宗教がないことが、
世界を生きづらくさせているということが
良くわかりました。
日本の自殺率が高いことも、
こんなところに本当の原因があるのかもしれません。
洗脳原論
です。
本書はビジネス書のトリセツで紹介されており
興味をもって購入しました。
基本的に学者の本という色合いが強く、
第一章、第二章は難解な用語で抽象的な議論が続き
読むのをやめようかとも思いました。
しかし、中間から終わりにかけては、
内容が具体的に理解しやすくなっていきました。
やはり、オウムの洗脳を解いたという圧倒的な実例が
学者の本をリアリティあふれるものにしています。
世の中に希望が見えない中、
カルトの魔の手は日常に迫っています。
自分や大切な人がカルトにのめりこむことの無いよう
本書に書かれている知識は、一般教養として持つべきでしょう。
また、日本に哲学や宗教がないことが、
世界を生きづらくさせているということが
良くわかりました。
日本の自殺率が高いことも、
こんなところに本当の原因があるのかもしれません。
オウムは、逮捕されて脱会しかかっている信者に接見して、
中沢新一氏の『二次の階梯』という、チベット密教の
教義と修行を解説した著作をさし入れていた。
(中略)
本に散りばめられた、トリガーであるチベット密教独特の用語によって、
アンカーが作動し、信者にとって独房が
そのままサティアンの個室のように感じられるようになる。
ディベートという観念の世界では、命さえも絶対ではない。
「命は大切だ」という意見にも、肯定、否定両方の立場に
たてるのがディベーターというものだ。
デプログラミングの作業にはいったら、私との勝負になりますが、
ご両親は、娘さんを私のところへつれてくるまでが勝負です。
人間の心理は、ある事象に対して知識がないと、
恐怖が生まれる構造になっている。
だから、知識のない状態で感覚遮断された環境に置かれると、
恐怖心が高まり相手に従いやすくなる。
哲学は日本では文学部にある文系の学問であるが、
少なくともアメリカでは、
どちらかというと理系の学問であるし、
数学の近接領域でもある。
オウムの元信者にはオウム的なものを絶対見せてはならない。
仮に見てしまうと神秘体験中の変性意識に戻ってしまったり、
埋めこまれた恐怖体験が涌いてくる可能性もある。
洗脳されている人は、正常な精神の持ち主であるのが普通である。
第4章であげたUの事例でもわかるように、
二日間程度のデプログラミングで普通の人に戻ってしまう。
一部の専門家が、反省して涙を流して「ごめんなさい」
と誤り続けることを洗脳の解けた証拠だと
主張しているのは間違いである。
オウムなら、本当に危なくなったら教祖の踏み絵をしようが
教祖をけなそうが何をしてもいい、という内容が、
ヴァジラヤーナの教えのなかにある。
だから麻原教祖を表面的に批判するとか、
悔悛の情を見せるなどお手のものである。
信者が脱走せずにオウムにとどまっている理由。
(中略)
何らかの「報酬」と、オウムの洗脳修行の「苦しみ」を天秤にかけて、
あえてオウムに残っているにすぎない。
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