2010年01月06日

日本「半導体」敗戦

本日は湯之上 隆氏の
日本「半導体」敗戦
です。

日本「半導体」敗戦 (光文社ペーパーバックス)

私は半導体業界に勤めているので、
これは必読の本でした。


著者は日立で半導体の開発エンジニアとして働いていましたが、
2002年のITバブル崩壊で早期退職せざるを得なくなる
状況に追い込まれます。

その後、大学への道を選び、技術開発の傍ら
社会学者として半導体業界の研究もされています。


内容としては、さすが研究開発の経験がある人です。
技術的な指摘も的を得ており、論に説得力があります。


特に、エルピーダの分析は読み応えがありました。
合弁会社のジレンマという言葉を使い、
半導体の技術を統一することの難しさを語っています。

今後、半導体業界に再編の嵐が吹き荒れるでしょうが、
この視点は大きな参考になるでしょう。

また、以前は経営者の交代のみが
エルピーダのシェア回復の原因と考えていましたが、
社内で三菱出身のエンジニアが果たした役割という
新たな視点を得ることができました。


半導体業界に携わる者には必読の一冊です。




私の所属する日立では、半導体関連部門に対して
「40歳、課長職以上は、全員、責任を取って退職してもらいたい」
という早期退職勧告がなされた。


「今も昔も技術力では負けていない」
という根拠はどこにあるのだろうか?


「半導体なんて装置を買って並べれば誰でもできる」
と断言する人々にも多数出会った。
(中略)
これが間違っていることを示すために、
「半導体は装置を買って並べただけではできない」
ことを証明する論文を書くことにもなった。


日本半導体には、過剰技術で過剰性能・過剰品質を
作る病気に冒されている。
しかし、日本の業界自体は、
自分たちが病気だとは思っていないのだ。


研究部、開発部、量産部の間に、士農工商がある。
研究部が一番偉く、次が開発部。
量産部は下層階級と見なされている。


2社を統合した際、両者のプロセス技術を比較して
”良いところ取りをする”ということは、
極めて難しいことなのである。


エルピーダメモリが設立された当初、
NECと日立を合わせたDRAMの世界シェアは16%あった。
ところがそのシェアは、1年後に8%に、
2年後に4%にまで減少した。


エルピーダがNECの敷地内にあることから、
自然に、工場およびそのシステムなどがNEC流になった。
社長は「ここはNECである。NECに従うように」
と明言した。






engineer_takafumi at 23:56│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ 経営

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