2010年03月23日

ロボットは涙を流すか

本日は石黒浩氏の
ロボットは涙を流すか
です。
ロボットは涙を流すか (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。

最初手に取ったとき、ロボットは感情を持ちえるか
という話題に科学的にアプローチする本かと思ったのですが、
実際は、映画や哲学、つまり人間の観点から、
どこがロボットと人間の境界になり得るか
ということを議論する本でした。

よって、科学的な知識はほとんど必要とせず、
むしろ哲学に近い分類になるのではないでしょうか?
文系の人でも、気軽に手をとれる本です。


ロボットがどんどん高度化して、人間に近づくと、
人間の本質がより浮き彫りになっていく、
この考え方は非常に共感することができました。

厳しい話ですが、現代の社会では、
ロボットにでもできることをしている人は
どんどん価値が低下していくのです。


マトリックスなど、架空現実を扱った映画が好きな人は
特に楽しめる一冊だと思います。




我々の頭の中にはどうも、ここまでならロボットができてもいいが、
これ以上は困るという境界のようなものが存在しているらしい。
しかしロボットという存在が現れることで、
むしろ人類という存在の輪郭が際立ち、
私たちは「人間とは何か」という基本問題に近づいて
いくことができるのではないだろうか。


科学技術が発達すればするほど、人間だけに可能な、
したがって人間が行うべきことは何かという
課題が絞り込まれてくることがわかる。


ロボットも人間に近づけば近づくほど、
人はロボットに親近感を抱き、ついには人間と見分けがつかなくなる。
ところがそうなる直前に、その親近感が急降下する
「不気味の谷」と呼ばれる現象があるのだ。


ロボットにより人間らしい構造を持たせるには、
注射器のようにピストン運動するリニアアクチュエータが欠かせない。
つまり、モーターが回転するのに対して、
筋肉は伸び縮みするという原理的な違いがあるからだ。


結局のところ、人間のコミュニケーションというのは、
意味のある会話よりも、会話することそのものに意味があって、
九割くらいは意味を重視しない内容で成り立っているのではないだろうか。






engineer_takafumi at 23:56│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ その他の工学

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