2010年10月20日

エントロピーがわかる

本日はアリー・ベン−ナイム氏の
エントロピーがわかる
です。
エントロピーがわかる (ブルーバックス)

本書はエントロピーをもっと理解したくて購入しました。


熱力学で登場する物理量であるエントロピーは、
我々がなじんでいる保存量ではなく、
増大する一方というとても奇妙な物理量です。

一般的には、統計力学を勉強すれば、
その本質が理解できると言われています。

ですが、統計力学を学んでも、数学的な定義はわかるものの
本質的な意味は未だにつかみきれないという人も
多いのではないかと思います。

エネルギーなどと違って、イメージが沸きにくいのですね。


本書では、さいころのゲームを使って、
その本質を的確に説明しています。

このイメージは、エントロピーを理解するのに、
非常に役立つと思います。


ただし、残念なのが、訳が非常にわかりにくいことです。

さいころゲームの説明が書かれた日本語を理解するのに、
かなりのエネルギーを必要とします。

少し英語力のある人でしたら、原書に当たったほうが
良いのではないかと思います。


大学で統計力学を学んでいる方の副読書としてお勧めです。
確実にエントロピーに対する理解が深まることでしょう。



第二法則を理解するためには、
統計力学さえも知っている必要がないことを突然に悟った。


もしこのような"永久運動"が可能であるならば、
船の背後にわずかに冷たくなった水の航跡を残しながら、船を推進するために、
大洋という巨大な熱エネルギーの高熱源を使うことができるだろう。


私はエネルギーに似せるために、敢えてエントロピーという言葉を作った。
だから、これらの2つの量はそれらの物理的な意味が非常に類似しているので、
呼び名が類似していることは、私には助けになるように思える。


非常に小さい偏りは非常にしばしば起こるがそれを見ることはできない。
他方、大きな偏りは見ることができるが、それらはめったに起こらないので、
"決して"見る機会は訪れない。


「構造」や「美」と同様に「秩序」は見る人の見方によっている。

だれもエントロピーが本当に何であるのかをしらない。
そうすると論争の際にあなたはいつも有利な立場に立つだろう。


古典的(非原子論的)熱力学の範囲内で公式化される時、
第二法則は物理学の絶対的法則である。何の例外も許容しない。
分子的事象の項で公式化された時には違反行為が許される。





engineer_takafumi at 05:52│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 物理・科学哲学

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字