2010年12月08日

ハーバードの「世界を動かす授業」

本日はリチャード・ヴィートー氏の
ハーバードの「世界を動かす授業」
です。


本書は土井英司氏のビジネスブックマラソンで紹介されており
興味を持って購入しました。


本書の特徴はハーバードビジネススクールにおける
グローバル経済の授業を体験できる、ということにあります。

世界中から集まってくるビジネスのエリートが何を学ぶのか?
このことには大変興味があります。

読んでみると、一番新鮮だったのは、
比較的、日本となじみの薄い国の情報が興味深かったということです。

日本はもちろん、アメリカや中国などは、
雑誌やテレビでも、良く特集が組まれたりします。

一方、南アフリカ、メキシコ、ロシアなどの国々は、
日本ではあまり話題になることもありません。

そんな国々の歴史や現状について話はとても参考になりました。


また、他国と日本の経済を比較してみると
一体、日本経済はどんな風に見えてくるのか?

他国を知ることによって、より自国の実体が浮かび上がる、
そんな感触を受けました。


グローバルに物事を考えることの重要性がわかりました。
特に海外で活躍したいと考えている人は、
絶対に一度は読んだ方が良い本です。



2010年になった今でも、ハーバード・ビジネス・スクール、
MBAの授業で最初に扱うケースは『Japan Miracle』のケースであることを
日本の皆さんはご存知だろうか?


ある意味で戦略をつくるのは簡単なことでもある。
困難なのは、それを実行することだ。


(シンガポールは)官僚、とくに首相や閣僚に、企業重役の3倍、4倍の給料を
支払うことで金銭的理由の汚職をする必要がないようにデザインしてある。


(中国は)人口増加を抑えたので20年後には10億人が高齢者となり、
その人たちを人口のわずか12~13パーセントで養わなくてはならなくなる。


世界中のどこの国ともインドが違うところは、「多様性」に尽きる。


1992年のインドをみると、議員の3分の1くらいが重罪を犯し、
その中には殺人者も数人いる。そういう人が議員に選ばれている。


天然資源を輸出することで自国の通貨の価値が高くなる。
すると、それ以外の商品やサービスを輸出しようと思っても、
通貨が高くなっているため価格競争力をなくし、売れなくなる。


サウジアラビア人自身にとっても、よりよい教育を受けようとする意欲や、
労働意欲がそがれるというマイナス面もある。とにかく彼らは裕福なのだ。


1991年から98年まで、ロシアの実質GDPは55パーセントも下落した。
これは完全な崩壊と言える。


日本の北でも原子力ミサイルを搭載した潜水艦が沈んだままで、
引き揚げられることはなかった。


判例から生まれたものでとりわけ重要なものは、域内での相互承認の原則だろう。
(中略)
これは、企業が自国の規定を満たしていれば、
その他の域内のどの地域でも適用されるというものである。
(中略)
この原則を適用すれば、数年の間に、
何千というさまざまな分野で相互承認が進み、
規制が緩和され、また金融上の規制も減ることが期待されている。


通常、財政赤字を埋め合わせする方法として国債を発行するわけだが、
通貨統合をした後は、自国の通貨でそれを売ることはできない。


欧州の成長が鈍化しているのは、社会プログラムに多くの資金を投じ過ぎ、
人々があまり熱心に働かなくなったことが原因である。


実は日本は経済に占める輸出入の割合が決して大きくならなかった


国際的に見れば、日本は成功組の典型例であろう。
国を挙げて貯蓄をし、世界中に投資し、そこから巨額の収入を得ている。


人々は財政政策面で赤字を出しつづけると、いずれ増税となることを理解し、
支出も抑制する態度をとる。


不良債権を帳簿から抹消すれば、デフレが起きる。


問題は、民間に資金需要がないため、商業銀行も保険会社も
それほど資金を必要としていないことである。


10年国債の利率は1.6~1.8パーセント以下、つまり今後10年の間に、
インフレがひどくなるとは日本人は予想していないことを意味している。


日本の場合、外資が入ってくるのはとても難しい。
その額は100億ドル程度で、
日本から出ていく1000億ドルの10分の1にも満たない。







engineer_takafumi at 01:59│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 経済・会計・お金

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