2011年01月02日

自然現象はなぜ数式で記述できるのか

本日は志村史夫氏の
自然現象はなぜ数式で記述できるのか
です。
自然現象はなぜ数式で記述できるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。

本書は、なぜ科学現象が数式で記されるのか?
という観点から物理を述べたものです。


批判ですいませんが、この本を読んで一番思ったことは、
本書で多用されている下記の表現
人間にはまったく関係がない純粋な自然現象が、
100%人間が創造した数式で完璧に記述される

に疑問を感じてしまうということでした。

例えば、ニュートンの運動方程式にしても、
量子力学のシュレディンガー方程式の近似にすぎないことは
現在でもわかっていることですし、
その他の物理法則も実は完全ではないかもしれません。

もちろん、十分実験データと一致しているわけなのですが、
「100%数式で完璧に記述される」
とまで言われると、やっぱり違和感を感じてしまいます。


話が細かくなってしまいましたが、
全体的には基本的な物理法則を
わかりやすい言葉で表現しているので、
理系の高校生などにはおすすめの一冊だと思います。

また、ファラデーについての記述には
大変興味がわきました。




本当は有比数、無比数と呼ぶべきだろうと思います。
「有理数」「無理数」は誰が使い始めた言葉か知らないのですが、
私には明らかに誤訳に思えます。


ファラデイの時代には「ノーベル賞」はまだ存在していませんでしたが、
もしあったならば、化学賞を少なくとも2回、
物理学賞を少なくとも4回受賞したのではないかと私は思います。


当時の傑出した科学者のほとんどの出自は中産階級で
"生活"には困らず、高等教育を受けた人たちでしたが、
ロンドン郊外のスラム街の貧しい鍛冶職人の子として生まれたファラデイは
「読み書き算数」の最低限の教育しか受けていないのです。


事実、ファラデイはきわめてすぐれた実験家ではありましたが、
数式による表現、数を使った論理展開は
得意とするところではなかったのです。


「数式を使った論理展開ができない」ということとと
「数学的思考ができない」ということは全く別のことだ






engineer_takafumi at 23:51│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 物理・科学哲学

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