2011年03月21日

逆行

本日は尾原史和氏の
逆行
です。


私がクリエイティブ系の人の本が好きなので
その面で期待して本書を購入しました。


著者は雑誌や本を中心として活動されている
グラフィックデザイナーの方で、有名なところでは、
R25の表紙のデザインを担当されているそうです。

僕がクリエイティブ系の人の本が好きなのは、
自分に欠けているものがそこにあるからなのですが、
この本はまさにそうでした。

この本を読んでみると、仕事の理論というよりも
著者の人生や思想について語った本だと思いました。

正直、それは理路整然としたものではなく、
感覚的に混沌の中から何かを作り出すという
エンジニアの僕から見るとまさに対極の世界です。

僕のような仕事をしていると、
どうしても考え方がワンパターンになりがちなので、
こんな本を読んで、頭を柔らかくすることが
必要だなと感じます。


ということで、普段は堅い仕事をされている方に
おすすめの一冊です。




俺は、誰も教えてくれる人がいない状況のほうが、自分を出せる。


四畳半三万五千円のところでできる仕事というのは、
所詮その規模どまりになる。


デザイン事務所は、三年に一回ぐらいで
社員が入れ替わっていくのがいいと思う。
ずっと同じ人がいて安定した状態じゃなくて、
たえず血が入れ替わっていくべき。


三年後にはでないといけないという期限があるのと、
近い未来のことを考えずにだらだらと仕事をやるのとでは
精神的な集中度合いに変化が出る。


自分が会いたくないときに会ったら、
うまくいくはずのものもうまくいかない。
会える立場になってから会う、というのが正しい。


100万人に見られるということは、
もはやデザインには個人的なクセがなく、全体の印象が、
個性になり熱を生む要因になる刺激や摩擦が少なくなければ、
とても手にとってもらえない数なのだ。


いまの社会のシステムは現在と未来に対して分析してしまうことが多く、
そうなると、その段階で満足してしまう可能性がある。





engineer_takafumi at 02:48│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ クリエイティブ

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