2011年05月06日

ダンゴムシに心はあるのか

本日は森山徹氏の
ダンゴムシに心はあるのか
です。


当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。

本書は題名の通り、ダンゴムシに心はあるのか?
という問題に対して色々な実験を行い
結果、存在しているようだ、という話について
書かれています。

これはこれで興味深いのですが、
私が興味を持った部分は心の定義の部分でした。

つまり、何の結果をもって「心が存在する」と
結論づけるのでしょうか?

その話は本書では、1章を割いて説明されているのですが
正直難解で私が完全に理解できているかどうかわかりません。

ですが、次のようなことはなんとなく理解できました。

まず、心があるとは、目に見える行動だけでなく、
抑制されている行動が隠れている状態を指します。

次に、心があるかどうかを確認するためには、
その生物にとって未知の状況を設定して、
予想外の行動を引き出すことによって成されます。


ダンゴムシに興味がある人(?)や
「心」とは何だろう、と悩んでいる人には
特におすすめです。




私の内には、それに伴われる行動の発現を抑制することで
「隠れて」いる部位が存在しています。


「未知の状況」における「予想外の行動の発現」こそが、
隠れた活動部位としての「心の働きの現前」なのです。


あなたが心の存在を実感したいと思う対象があるならば、
その対象から予想外の行動を引き出すために、
未知の状況を設定しなくてはなりません。


私たちは動物の行動をついつい「擬人化」して考えてしまうために、
その行動が発現した原因を、安易に知能や知性といったものに
帰してしまいがちだということです。


食欲は、空腹にすれば生じるというものではありません。
食欲は、それだけを生じても構わないと彼らの心が自律的に判断する環境、
すなわち、心が食欲と同時に不可避的に生じる
そのたの欲求を自ずと抑制できる環境にあって生じます。







engineer_takafumi at 01:43│Comments(0) ★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

コメントする

名前
 
  絵文字