2011年04月10日

人は放射線になぜ弱いか

本日は
人は放射線になぜ弱いか
です。
人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)

本書は福島での原子力発電所の事故を受けて
放射線の人体影響を勉強したくて購入しました。


この本では放射線の物理というより、
かなり生物的、医学的な分析を議論しています。

放射線の危険を語るときに、そもそも放射線が
どんなメカニズムで人体に悪影響を与えるのか
きちんと理解する必要があります。

この本では、その理由が詳細に書かれており
大変参考になりました。

また、がんについての知識も得られます。


結論として、少量であれば放射線は
全く恐れる必要はないとのことですが、
さらに進んで、少量であればむしろ健康に
良いかもしれないとさえ主張しています。

まさに、この本のサブタイトルになっている
「少しの放射線は心配無用」です。


単にがんになる、急性症状が現れる、以上に
放射線が人体に悪影響を与えるメカニズムの詳細は
意外に語られていませんので、
ここに興味がある人にはおすすめの一冊です。



中程度の被ばく量ならば、一時急性症状がおこっても
やがて放射線病から回復する。
性細胞の場合は、回復に時間がかかる。


放射線の影響の中で、一番敏感に検出できるのは、
染色体異常である。


原爆放射線のデータは、10ラド以下になれば
放射線がんのリスクは存在しないことを示唆している。


結論として、「放射線の遺伝的影響は心配無用」である。


人間に対する放射線の致死量は、
体温を1000分の1度上昇させる微量である。
一杯のホットコーヒーの熱量にもみたない放射線エネルギーで
われわれの固体は死んでしまう。


われわれは、誰でも0.01グラムの放射性カリウムを
体内に常に蓄えている。
放射能単位で言えば、3000ベクレルの放射性カリウム40が体内にある。


放射性作用の毒性の主役は、イオン化分子
―水の中ではそれによってつくられるOH・― である。


”分裂細胞は放射線に弱い”。
これは放射線生物学のいちばん重要な経験法則である。


精子ができるまでの過程は複雑で、減数分裂期は放射線にとくに弱い。


分裂期の細胞がX線に弱い原因は、DNAの傷であることが、
かなり確かになってきた。


被ばく量が少ないときは、放射線によるDNA損傷が
身体から完全に排除されることを示唆する。


法律でも、医療被ばくの調査でも、個人の危険より、
住民集団の危険を重視している。


年間最大許容量の0.5レムでは0.025%の発がん上昇で小さい値だが、
日本中の全住民になおすと2万5000人のがん死亡者の増加となり、
無視できない。


国際放射線防護委員会の怖がらせすぎのリスク値は
役にたたないどころか、放射能パニックの主因の一つとなっている。


微量の放射線は、生物に対して害を与えないで、
生命の活力を刺激する場合が少なくない。


放射線恐怖症のあまり胎児をおろした母親は、
全欧州では10万人以上だったといわれている。


実際に、自然放射線の5%に満たないレベルの放射性廃棄物の処理に
毎年50億ドルの支出をしている。







engineer_takafumi at 03:28│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 原子力・放射能

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