2011年03月28日

世界の放射線被爆地調査

本日は高田 純氏の
世界の放射線被爆地調査
です。
世界の放射線被曝地調査 (ブルーバックス)

本書は福島での原子力発電所の事故を受けて
放射線の人体影響を勉強したくて購入しました。


本書の著者はチェルノブイリや茨城の東海村をはじめとする
世界各地の核災害の現場において、
その放射線量と人体への影響を調査しています。

この本を読んで率直に感じたことは、
放射線というものは思ったより怖くない、
ということでした。

放射線というと大変危険なもので、
原子力発電所などから少しでも漏れ出そうものなら
ガンなどの病気が多発する、
というようなイメージを持っていました。

しかし、適切に被曝量を管理されていれば特に問題は生じず、
問題となる被曝量は思っていたよりずっと多いことがわかりました。

実際、チェルノブイリの事故でも、あえて汚染区域内での
生活を続けている人達もいるのですが、
被曝による健康リスクはそれほど高くないそうです。


少なくとも、この本で示されたデータ等に
作為的な捏造などさえなければ、
福島第一原発で起きた事故の人体への影響は
非常に限定的(むしろ全く確認できない)
と推測できるでしょう。

核災害の影響を正しく理解したい方には
お勧めの一冊です。




専門の科学者にとっても、大量の核兵器の爆発実験、
原子力発電所の爆発などの大規模核災害が与えた環境および
人体影響の科学的理解は不十分である。


大地に含まれる天然放射性元素や宇宙からの放射線により、
私たちは日常生活のなかで、放射線の被曝を受けている。
日本の場合、これらによる外部被爆は一年間で
約0.6ミリシーベルトである。
さらに食品などを介して私たちは天然放射性元素を体内に取り込んでいる。
例えばカリウム40が全身に分布し、その放射能は成人の場合、
日本人は約4000ベクレルである。
(中略)
これらの天然放射能からの内部被曝は、日本人の場合
およそ一年間で1.4ミリシーベルトである。


彼は、総計9000ミリシーベルトの被爆をしたが、
元気に生きていると聞いた。
この被曝線量は、瞬時に被曝した場合には、致死量であるが、
このように分割被曝では、致死とはならなかった。


広島・長崎の原爆生存者の調査では、
この遺伝的影響は見つかってはいない。


(チェルノブイリの調査の中で)
まだ1号および3号炉が稼動している。
これらはウクライナの総発電量の6パーセントである
2300メガワットを発電している。
2000年にはこれらの原子炉が閉鎖されるという覚え書きがある
(2000年12月15日に完全閉鎖された)


チェルノブイリ事故では、急性放射線障害での死亡は28人、
平均100ミリシーベルトを被曝した22万人の事故処理作業員たちに
白血病などのガンのリスクが増大したが、
その他一般公衆には、甲状腺ガン以外の悪性腫瘍の発生は
これまでに確認されていない。


彼の家の外の線量率は毎時2.9マイクロシーベルトだが、
中は外からの放射線が壁で遮断されているため約四分の一と低かった。


1個あたり約1000ベクレルのキノコは好い味だった。


ストロンチウム90およびプルトニウムの体内量に関しては、
セシウムに比べて実測値が少ない。
その理由は、ガンマ線の測定ができる後者に比べ、
前二核種が放射するベータ線やアルファ線は透過力が小さいため、
外からの測定が困難だからである。


居住制限地区に暮らす人たちは、放射線からの人体影響以上に、
放射能に対する社会の過度な反応からくる精神的マイナス、
そして電話、郵便、送電などの社会的サービス打ち切りからの損失が大きい。






engineer_takafumi at 01:40│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 原子力・放射能

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