2011年06月28日

スーパーアース

本日は井田茂氏の
スーパーアース
です。


当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


夜空を見上げると星をたくさん見ることができますが、
それは「恒星」、つまり太陽のように自分で光を出す星です。

一方、地球のような惑星は自分で光を出すことがないので、
太陽系を超えた惑星を発見するのは難しそうです。

この本は、そんな太陽系外の惑星についての話です。

観測の方法に始まり、星の誕生方法、地球外生命の可能性
などについて書かれています。

その中でも、僕が興味をもったのは観測方法でした。
以前から、星について得られる情報は光だけなのに、
なぜ、そんなに詳しいことがわかるのか
不思議に思っていました。

この本の付録にある観測技術の解説を読んで
目からウロコが落ちる思いをしました。

それにしても、観測技術の精度には驚かされます。


星や宇宙が好きな人はもちろん、
地球外生命に関心がある方は必読の一冊です。



トランジェント法では惑星の断面積がわかる。
ドップラー法でも同じ惑星を観察すれば質量がわかる。
食がおこったということは、惑星軌道面が視線方向と
ほぼ一致しているということなので、
ドップラー法で測定された質量が真の質量だということになる。


ドップラー法では光を波長ごとに分けたスペクトルの
吸収線のずれを測定したのだが、吸収線そのものからは組成がわかり、
波長ごとの強さの形からは温度がわかる。


実は天文学は、十七世紀のガリレオの望遠鏡観測以来、
常に地球外生命の議論と絡んできた。
二十世紀中盤から二十世紀末までの間だけが天文学と地球外生命の
議論の絡みがきわめて弱かった特別な時代だっただけなのだ。


実は、地球は誕生したころには金星を凌ぐ濃密な二酸化炭素があったが、
大気中の二酸化炭素は、岩石を風化して海に溶け込んで炭酸塩になり、
地殻やマントル中に取り込まれたと考えられている。


ひとつの解釈は、このような環境大変動の中、
大絶滅がおこるような「非常事態」においては、
生命はじっくりと複製している余裕がなく、
あり合わせの遺伝子で不完全な複製を繰り返して、
結果として大進化につながったというものだ。


プレート・テクトニクスによって、二酸化炭素に負のフィードバックがかかって、
温度が安定化されていると言える。
生命の進化のためには、その惑星にプレート・テクトニクスが存在することが
必要条件になるかもしれない。


植物の葉は特異に強い赤外反射をすることが知られている。
可視光を吸収して光合成を行うのだが、
波長ですぐ隣の赤外線はなぜか強烈に反射する。






engineer_takafumi at 23:30│Comments(0) ★理系本の書評 | ⇒ 地学・環境・宇宙

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