2011年11月12日

生物のなかの時間

本日は西川伸一氏、倉谷滋氏、上田泰己氏の
生物のなかの時間
です。
生物のなかの時間 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書は科学系の本としては珍しい
対談形式で進められています。
良くも悪くも、それが本書の最大の特徴でしょう。

ふつうの対談形式の文章では、
あまり難しい話題は扱わないのですが、
本書では専門用語や難しい概念がどんどんでてきます。

一応、脚注はたくさんついているのですが、
やはり個々の言葉の理解はあまり進みません。

知識を得るという目的で本書を見た場合
あまりおすすめできないというのが正直なところです。


その一方、著者ら、一流の研究者たちの
考え方や空気感が伝わってくる本です。

うまい例えなども多いので、
思わぬ発見もあるかもしれません。


ある程度生物の知識があって、
自分の知識を別の角度から見てみたい
という人にはお勧めの一冊だと思います。




最近、注目されているクマムシはどうでしょう。
乾燥にさらされると、樽状に変身して、呼吸も代謝も全て止めてしまう。
この状態になると、絶乾はもちろん真空、低温、高温、高圧、X線にも耐え、
宇宙空間に放り出しても生き続けるとか。


個の利益だけだったら、どれかの細胞が
「俺さえ増えればいい」とがんみたいになる。
「個体が存続して、次世代が約束されるなら、
おれは筋肉の一部のままで我慢するよ。俺自身が増えなくても構わないよ」
という社会主義的合意が成立しないと、多細胞生物にはなれない


ネズミザメとか、ある種のサメに見られる食卵性もそうかな。
早く育った胎児が、発生の遅いヤツと腹の中で食っちゃう。


非対称の心臓なんかはかなり奇形が多い。
これなんかも、非対称の器官がいかに苦労してつくられているかの
証拠なのかもしれない。


宗教でも、「無限」とはいわないで、あえて有限な数字で表現する。
そこって、進化の必然・偶然の話と似ていませんかね。






engineer_takafumi at 03:13│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

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