2012年05月17日

世界で勝負する仕事術

本日は竹内健氏の
世界で勝負する仕事術
です。
世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)

本書は著者がフラッシュメモリの開発者なので、
半導体のエンジニアの私として興味を持って購入しました。


著者はエンジニアとして東芝に入社し、
フラッシュメモリ開発のコアメンバーとして活躍。

その後、社内留学でMBAを取得し、
大学に転身したというエンジニアとしては
異色のキャリアを歩んでいます。

その中で、東芝という組織にぶつかりながらも
フラッシュメモリを開発した著者の体験は
同じエンジニアとして励みになります。

また、著者の日本の半導体をなんとかしたい
という思いの強さには感銘を受けました。


皮肉にも、エルピーダの破綻により著者が有名になり、
その影響でこの本も売れているようです。

この本を通じて、日本の電気業界、
特に半導体の勢いが右肩下がりである理由を
考えることは、ビジネスパーソンとして
意義深いのではないでしょうか?


エルピーダの倒産で半導体業界に興味をもった人には
ぜひ読んでもらいたい一冊です。





大学で、私が気づいていなかった現象を
研究室の学生が見つける例は少なくありません。
学生は常識的な知識がまだ少ないため、
プロならば絶対にやらない組み合わせを試してみたりするからです。


フラッシュメモリが注目されていないときに、論文を書いて特許をとり、
自分がオリジナルの開発者である客観的な証拠を残したことはとても重要でした。


スタンフォードのビジネススクールの特徴は、
半数以上の学生が理系学部の出身者であることです。


アップルはデザインやユーザーエクスペリエンスばかりもてはやされがちで、
「アップルには技術がない」などと言う人もいます。
これは大いなる誤解です。、
自ら半導体の開発こそしていませんが、技術を深く理解して
半導体メーカーをリードしてきたのはアップルです。


事業に失敗した人たちが、成功しつつある事業に吸収され、組織のなかで、
成功者の立役者の上に立つ、というのは欧米企業ではあり得ません。
ところが、日本の年功序列の人事制度では当たり前のように、
このようなことが起こります。


日本の傾向として、能力の高い人は大企業のなかに閉じこもっていて、
あまり外に出てきません。


人材確保のために奔走していて最も強く感じるのは、
優秀な人材がいないことではなく、
優秀な人材が日本から出て行ってしまうことへの危惧です。


実際に製品開発の現場にいた経験からすると、対称性にこだわるなど、
見た目が美しい、細部まで工夫したレイアウトほど、不良が少ないのです。







engineer_takafumi at 01:25│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ 仕事術、思考法・ツール

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