2012年07月11日

本日は船山信次氏の

です。
毒 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書のテーマはずばり「毒」ですが、
その化学的な性質な話だけをする本ではありません。

歴史や犯罪の中に毒がどのように登場するか、
といった切り口でクレオパトラと毒ヘビ、
という話題があったりして、
科学抜きにしても楽しめました。

さて、この本を読んで思うことは、
実は毒って、本当に身近なんですね。
身の回りに意外に溢れているものなのです。

また、薬と呼ばれるものは、ほとんどが
一定以上服用すると「毒」として働くわけで、
薬と毒はまさに紙一重なのです。

さらに言えば、そもそもある化学物質が
人間に役にたつのであれば「薬」、
人間に害を与えるのであれば「毒」、
と呼んでいるのに過ぎないのです。


話のネタを探している人にはお勧めです。
「毒」について、一通りの話が網羅されているので、
何か得るところがあることでしょう。




全く同じ化合物であっても、場合によっては毒といわれ、
また、場合によっては薬といわれることがある。


中国の唐時代の歴代皇帝二十人のうち、少なくとも六人は
水銀中毒で命を縮めたという。


ボツリヌストキシンは世界最強の毒のひとつであるが、
現在、美容や斜視に応用されている。


"What's your poison?"と言えば、
「飲み物は何にするかね?」といった程度の意味である。


ヒトが青酸カリウムを服用した場合、
胃の酸と青酸カリウムが反応して青酸ガスを発生し、
このガスが食堂を遡って気管に入り、肺に至って血液中に侵入して全身に回る。


普通、毒物の人体に対する作用や致死量というのは調べられない。
それをやってしまったのがわが国の七三一部隊の所業といえる。


かつて、覚醒剤は日本の薬局で自由に手に入る薬であった。
人を覚醒させる、シャキッとさせる薬という意味で、
「覚醒剤」という名前は付けられた。


小児ではタバコ約1本、成人でも約2〜4本分のニコチンで
命が危ないことを示す。


甘味はグルコースのようなエネルギーの源となるサインであり、
旨味はアミノ酸を主とする体を作る成分のサインである。
さらに、塩辛いものは食塩のようなミネラルのサインである。
一方、酸っぱい味は未熟な果実や腐敗を思わせるサインとなる。
そして、アルカロイドには苦いものが多いことからか、
苦いものは毒のサインといえそうだ。


かのクレオパトラは毒ヘビの毒を囚人を使って調べていたふしがあり、
自身が追い込まれて自害する際にはおそらく、
噛まれたときにはほとんど痛みもなく、
いわば、咬まれた局所に牙のあとが二つ残るだけの
コブラ型の毒ヘビに咬ませて果てたものと思われる


もし、吸気中の二酸化炭素の濃度が一〇%以上になれば意識不明となり、
二五%以上になると大脳皮質が抑制され、麻酔にかかったような状態になり、
数時間で死亡、三十%以上であれば即死するという。


中皮腫が発生するまでに三〇〜四〇年もかかるといわれ、
アスベストによる中皮腫は静かな時限爆弾ともいわれている。


亜砒酸はその検出方法が古くから確立しており、
足がつきやすいので、「愚者の毒」といわれた。


覚醒剤の経験者の中には、「自分の意思でやめようと思ってもそれは無理」
とまで言いきっている人もいる。


ヒロポンの語源は、ギリシャ語の"philopons"で、
「仕事を好む」という意味である。
そして、この時期はちょうど第二次世界大戦にさしかかったので、
錠剤とされたヒロポンは「猫目錠」と称され、夜間勤務の軍人や、
夜間飛行のパイロット、果ては、軍需産業の工員にまで使われた。







engineer_takafumi at 22:49│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

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