2012年08月11日

「あまった食べ物」が農業を救う

本日は山田浩太氏の
「あまった食べ物」が農業を救う
です。
「あまった食べ物」が農業を救う (PHPサイエンス・ワールド新書)


当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


有機野菜は美味しい・安全というイメージがあると思いますが、
具体的にどのような作り方をしているか知っているでしょうか?

化学的な農薬や肥料を使わない、と答える人もいるでしょう、
それでは化学的な肥料と有機肥料の違いは何でしょう。

そんなことを考えていると、その重要さにも関わらず
いかに自分が農業について知らないか思い知らされます。


本書では、従来の農業と有機農業との違い、
その問題点などを、科学的に解説してくれます。

そして、著者のもっているビジョン、
糞尿や生ゴミなどを有効利用して、
有益な肥料に変える方法を示してくれます。

作物の味や安全性ももちろんですが、
そもそも無機肥料は有限の資源です。

そして、日本はそのほとんどを輸入に頼っています。
肥料を自国でまかなうことは、重要な課題なのです。


また、本書には著者が農業のビジネスをしていて
当局や農協などとの間で苦労した話も書かれています。

まだまだ日本の農業は閉鎖的だな、と感じました。


ビジネスとして農業に参入したいと考える人にとっては
必読の一冊だと思います。




日本人は食料の3割程度を捨てているといわれています。


窒素1kgを作物に与えるためには
牛糞をおおよそ500kg入れなければならなくなります。
化学肥料で調整するほうがはるかに簡単です。


今後の人口爆発で食料が奪い合いになったら、
リン鉱石を輸入することが難しくなるのは火を見るより明らかです。


今、多くの養鶏場では、白衣を着て消毒しないと入らせてもらえません。
免疫力が弱っている鶏が病気に感染するのを防ぐためです。
鶏舎飼いの鶏は、自分たちの糞やオシッコのアンモニア臭を嗅ぎすぎて
非常に弱っています。


ここ数年、廃棄物業界を巻き込んで炭水化物の取り合いが起きています。
養豚経営は経費の6、7割がエサ代で消えてしまう仕事ですから、
そこをいかに圧縮できるかが利益に直結する重大事になるわけです。


硝酸は化学肥料でよく使われますが、これが残留すると、
苦味とかえぐ味として感じられてしまうようです。


ヨーロッパには、品目により2000〜4000ppm以上の
硝酸塩が残留している野菜は出荷できないという決まりがあります。
ところが、日本では、何の規制もない状態が続いています。


自分たちの肥料を使わなかったら、作物を買い上げないというわけです。


有機農業イコール安全という考え方はただの思い込み、
あるいは幻想にしか過ぎません。
化学肥料さえいれなければいいというものではないということです。


有機肥料であろうと無機肥料であろうと入れすぎは、
野菜にも環境にもよくないということです。


有機農業の場合、まくべき肥料の量は無機農業に比べて
膨大になることは確かです。






engineer_takafumi at 01:02│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 地学・環境・宇宙

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