2012年08月13日

日本は再生可能エネルギー大国になりうるか

本日は北澤 宏一氏の
日本は再生可能エネルギー大国になりうるか
です。
日本は再生可能エネルギー大国になりうるか (ディスカヴァーサイエンス)

本書は福島原発事故の独立検証委員会の委員長である著者が
再生エネルギーについて書いた本として興味を持ち購入しました。


福島の原発事故があって、
再生可能エネルギーに注目が集まっています。

目先の話で原発を再稼動するかどうかという議論はありますが、
中長期でみれば少しずつ減らしていくというのは
既定路線ではないのでしょうか。

科学的議論は別にして、ここまで人に嫌われた技術は
それだけで使うべきではないと感じます。


さて、本書は原発の先にある、
再生可能エネルギーについて書かれた本です。

再生可能エネルギーは、まだまだ原発や火力発電の代用には
ならないという意見も聞かれます。

それは確かに誤りとはいえないのですが、
技術開発は進んでいて、再生可能エネルギーのポテンシャルは
急激に高まっているのです。

本書は再生可能エネルギーの技術的な可能性や
普及させるための政治課題にまで触れられています。


そしてこの本の一番すごいところですが、
それができそうに感じさせる、というところです。

これから、再生可能エネルギーを普及させ、
原発や化石エネルギーを全廃させる。

そして、その中で日本の技術を生かし、
日本の景気回復を果たし、若者に未来を与える、
その確かなシナリオがここにあるのです。


原発反対のデモをしている人がいますが、
そんな人に必ず読んでもらいたい本です。

マイナスのエネルギーをプラスに変えられます。





技術の固まりであるはずの、国策としての原発が、
結果的には「偶然」に救われたことになり、とても正気の沙汰ではありません。


保安院はお役所のポジション稼ぎのための場になっていたといえます。


「空気を読む」ことが日本社会では不可避であるとするならば、
そのような社会は、原子力というリスクの高い大型で複雑な技術を
安全に運営する資格はありません。


危険なものを大量に同じ場所に集めることだけは避けたほうがいい。
特に危険なのは使用済み燃料である。


予測のなかで、もっとも難しかったのは、原子力発電のコスト部分でした。


再生可能エネルギーの導入速度は、いますぐ投資額として
「年間5兆円必要」とする試算結果が得られます。
これは国民一人当たり4万円強となります。


ドイツは子孫との衡平の論理を獲るために脱原発をした。
フランスの原子力にドイツが頼るような不名誉なことをすることはありえない。


インドの原子力利用研究は非常に長い歴史をもっており、
現在使われているウラン235という燃料以外に、
独自にウラン233を使う研究も行われています。


アメリカの核実験場として使われてきた地域でさえ最終処分には反対する、
というのが世界の現状です。


再生可能エネルギー製品は「国産品愛用運動」にはすべきでない


日本では、風力発電などは不安定な電源なので
直接電力系統にはつなぐことができないとされてきました。
蓄電池などをかませて安定化させてから、
電力会社の系統につなぐようにと要求されていたのです。


小水力用の発電機は各種開発されていて、
なかには螺旋状の水車を川に沈めるだけという非常に手軽なものもあります。
ただし、現在は法律上の問題が非常に厳しく、河川法や電気事業法
農業用水の規制などとの関係があまりに複雑で、簡単には設置できません。


世界全体で見れば、バイオマスはいまでの主力であり、今後も最有力です。


電気分解によって化学エネルギーをつくりだし、
電気が足りないときにはその化学エネルギーから発電する、
「電解・発電産業」が盛んになるだろう


これが可能になれば、日本は40〜50年後には、
エネルギーのすべてを再生可能エネルギーに置き換え、
エネルギーの100パーセントを国産、自給できることになります。
そうすると、年間の化石エネルギー輸入代金20〜25兆円を
再生可能エネルギー社会の実現のために使えることになります。


日本という国の場合、「輸入が増えると輸出も並行して増える」






engineer_takafumi at 09:27│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 一般・その他の科学

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