2013年01月22日

戦略決定の方法

本日は川島博之氏の
戦略決定の方法
です。
「戦略」決定の方法 ビジネス・シミュレーションの活かし方

本書はサブタイトルの
「ビジネスシミュレーションの活かし方」
という言葉に惹かれて購入しました。


一般的にビジネス書、特に本書のような「戦略」を
扱う本はいかに理論的に結果を導くか
ということを説いています。

世の中の人はあいまい過ぎるということでしょうか。


一方、僕のようなエンジニアの中には、
数学などを駆使して理論的に考えすぎて
人間の勘のようなものを無視してしまい
失敗する人が多く存在します。

特に、この本のテーマとなっているシミュレーションは
一見、理論的でただ一つの答えを見つけるような
ものに見えるのですが、実は大きな落とし穴があります。

この本はそんな落とし穴とはどういうことなのか、
シミュレーションをうまく利用するには、
また他人のシミュレーションに騙されないための
知恵をつけてくれます。

シミュレーションは万能ではありません、
あくまで電卓のような人の思考を補助する
ツールでしかないのです。


未来を予測するとはどういうことなのか、
この答えに近づきたい人には
必読の一冊だと思います。



シミュレーションは、分析対象を要素に分け、
要素と分析対象の関係を数式で表し、
その数式を解くことで未来を予測しようとするものです。


知りたいものをいくつかの要素に分割するのは、
シミュレーションにおける基本的なアプローチです。


慣れない人にシミュレーションをさせると、
物事をどんどん細分化する傾向があります。


優れたシミュレーションのためには、物の見方、意識の置き方、
その人自身の哲学が大切になってきます。


問題をこのように数式で表現しておくことは、目前の問題の解決以上に、
同じ問題を今後発生させないよう対策を立てる上で有効になってきます。


シミュレーションの成否は、分析の対象となる要素を
絞り込む作業にかかっています。


いろいろな付帯要素が付いて何次元にもなってくると、
直観的に理解することができなくなります。
私が研究室で言う「使えないモデル」というのは、
そうなってしまったシミュレーションモデルのことです。


人間の頭脳労働の末に見えてきた理論を、
コンピュータによって箔付けしているのだ


既に仮説を立てている人がその検証に使うには便利な道具なのですが、
何の仮説も持っていない人が使っても、そこからアイデアは出てこない。
シミュレーションソフトとは、そういうソフトウェアなのです。


物事の全体像がパーッと見えたとき、人は「わかった」と思うのだ


同じ観測結果を基にしても、それをベースにシミュレーションした
未来予測の結果は一通りではなく、
研究者の考え方次第で大きくばらついてしまうということです。


過去のデータ(観測結果)をベースに
シミュレーションモデルをつくるといっても、
過去の現象と未来との間に連続性があるとは限りません。


これでは環境アセスメントではなくて環境アワセメントだ


ブラック・ショールズの式というのは、確かに金融工学の飛躍的な
発達をもたらした革命的な数式ではあるかもしれませんが、
それを使ったシミュレーションモデルで未来が予測できるように
なったかというと、どうもそうはいかなかったようです。


「未来は予測できる」という風潮は、
繰り返される歴史的な波の一つであると位置づけています。






engineer_takafumi at 00:24│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ 仕事術、思考法・ツール

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