2012年11月24日

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人

本日は荒井玲子氏の
ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人
です。
ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人 【第二版】 (技評SE選書)

本書は出版社の方から頂きました。
技術評論社の小林様、ありがとうございました。


本書はエンジニア向けに書かれた自己啓発本です。

ソフトウェアのエンジニアが伸びるためには、
幸せになるためには、といったことが書かれており、
エンジニアの生活がうまくいくコツがつまっています。

伸びる人ほど「わからない」と言う、
間違ったプライドを持たない、
会社と仕事を切り離して考える、
といった指摘は特にエンジニアに有効なものだと思います。


なお、私は半導体のエンジニアでいわゆるSEではありません。
しかし、この本を読んでみると、
共感や感銘を受ける部分がたくさんありました。

決してソフトウェア開発のエンジニアだけではなく、
エンジニア全般にも通じる本だと感じました。


なお、この本の著者はソフトウェア技術者ですが、
音大卒でパイプオルガンを専攻していたという
異色の経歴の持ち主です。

そのため、ソフトウェアと音楽、といった
著者の経験から感じたエンジニアと音楽の共通性
というものについて書かれた章があります。

意外に演奏家とエンジニアというものは
共通性が多いのだと感じました。

まあ、自分の技と周囲との協調で成り立つ仕事
という本質は共通ですからね。


エンジニアの方で一般の自己啓発書を読もう
としている人にはお勧めの一冊です。

一般向けにはない、エンジニア向けの
仕事や考え方のコツが得られることでしょう。




興味深いのは、伸びる人ほど「わかりません」と反応する点です。


「難しい」という言葉は、自分も周囲も傷つけることなく、
問題に正面から取り組むことをだらだらと引き延ばすという使い方が可能です。


なぜ、「どう開発するか」という議論をしたがるのでしょう。
理由は単純です。「楽しいから」。


伸びる権利を持っている人には、共通の特徴があります。
素直にひたすら努力することです。


素直に努力することと年齢とは、一切関係がありません。


オブジェクト指向技術を使用する場合、国語力のなさは致命的になります。
オブジェクト指向の最初の関門である「クラスの抽出」ができないからです。


優れた技術者は、目的指向で仕事をしています。


読む習慣が身についていない技術者は、技術書を選択しません。
サンプルを探しにいきます。
見つけたソースコードをあれこれいじって試行錯誤しながら調べていきます。
当然ながら、技術スキルは伸びていきません。


システム開発をリリースまでと考えるか、保守までと考えるかという点は、
システム構造を大きく左右します。
つまり、設計が変わってくるということです。


専門性に磨きをかけるのであれば、保守の仕事が有効です。


「会社が自分をどうしたいのかわからない」と不満をいう人に、
「どうなりたいの?」と尋ねると、何も考えていないことが多くあります。


「未定事項があることが悪い」のではなく、
「未定事項が未定とわからないことが悪い」のです。


ソフトウェア開発で幸せになれる人の特徴のひとつに、
会社と仕事を別の実体として考える、ということがあります。


(上司が無能な場合には)
難しそうな仕事は部下である自分が次々に引き取ってしまい、
その上司には誰でもできる仕事しか残らないようにします。


たしかに、幸せな技術者は楽しそうに仕事をしています。
しかし、それは「楽しい仕事」だからではなく、
「いかに仕事を楽しくするか」といった工夫の表れです。


不思議なことに、目標をずっと覚えていて、
週に1回か月に1回でもその目標のために何かをすると、
あまり努力したつもりはないのに、目標が達成できてしまいます。


「このシステムはどういうコンセプトで設計されたのだろう?」
「このコードはどういう思想で書かれたのだろう?」。
この問いの解が得られないシステムやコードはゴミであり、ガラクタです。


優れた楽曲は、譜読みをしている段階からメッセージが伝わってきます。
曲の構成も明確で何を意図しているのかがはっきり読み取れます。






engineer_takafumi at 02:14│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ その他の理系本

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字