2013年02月24日

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

本日はダン・アリエリー氏の
ずる 嘘とごまかしの行動経済学
です。
ずる―嘘とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション)

本書は人がごまかしをする心理メカニズムを
知りたくて購入しました。


会社の備品を持ち出す、交通費をごまかすといった
"小さな"不正はほとんどの人が経験しているでしょう。

本書はそんなごまかしのメカニズムを
行動経済学を用いた科学的な手法で明らかにするものです。

たとえば、
お金よりモノの方が不正をしやすい
(お金を直接取ることは心理的ハードルが高い)
最初に倫理規定に署名させる行為は不正抑止効果が高い
小さなごまかしがどんどんエスカレートする
といった結果は納得させられるものです。

結局、嘘やごまかしを止めるのは人間の良心である。
ただ、この良心はある環境で弱まったり強まったりする。
その条件を著者は調べているのです。


個人的には創造的な職種についている人が
ごまかしをしやすい、という話が印象に残りました。


行動経済学の本が面白いと思った人にはお勧めです。
お金と人の心理について、より知ることができるでしょう。





不正行為をが起きるのは、一人の人が費用便益分析をして
大金を盗むからとは限らない。
むしろ多くの人が、現金や商品をちょっとだけくすねることを、
心のなかでくり返し正当化する結果として起きることの方が多いのだ。


自己イメージを損なわずに不正から利益が得られるような境界線を、
だれもがいつも探そうとしているのだろう。


人が鉛筆やトークンといった、金銭ではないものを前にすると、
本物の現金を前にしたときより不正をしやすいことがはっきりした。


人に自分の倫理基準を思い出させるものを与えれば、
ごまかしをしようとする意欲と傾向を弱められる可能性を示している。


プリンストンの学生は、規定に署名をするよう求められたときは、
少しもごまかしをしなかった(MITとイェール大学の学生と同じだ)。
だが倫理規定の署名を求められなかったときは、
MITとイェールの学生とまったく同じだけのごまかしをしたのだ。


必要なのは、用紙の一番上に署名欄をつくることですよ。
そうすれば、正直に記入しなくてはいけないことを、だれもが思い出しますよ。


一日じゅう真面目に頑張り続けると、何もかもに疲れてしまう。
だから夜になると、とくに欲求に屈しやすくなるのだ。


意志力がすり減ると、欲求を抑えるのにとても苦労するようになり、
その苦労のせいで正直さまでがすり減ってしまうのだ。


にせものをそれと知りつつ身に着けると、道徳的な抑制力がいくぶん弱まり、
その結果不正の道に歩を進めやすくなるのだ。


いったん自分を「ごまかしをする人」と見なすようになると、
さらに不正な行動をとり始める


最も阻止すべきは最初の不法行為なのだ。
一見無害に思われる、単発の不正行為の数を減らすことこそが重要だ。


第一の原則は、自分をだましてはならないということだ。
自分というのは、最もだましやすい人なのだ。


創造的な人ほど、自分の利己的な利益を正当化する、
もっともらしい物語を考え出せるのだ。


数百ドルの入ったヨアブのスニーカーを盗られたことで、
ヨーロッパに何か仕返しをして、「借り」を返させてもいいような気がしていた。


道徳的柔軟性の水準は、
所属部署で要求される創造性の水準と密接に関係していた。
デザイナーとコピーライターが、道徳的柔軟性の水準で
最上位に位置したのに対し、経理担当者は最下位だった。


わたしたち人間には、利他的なごまかしを好む傾向があることがわかる。
たとえ自分のごまかしによって利益を得る相手のことを、
ほとんど知らなくてもだ。


ごまかしが純粋に利他的な理由から行われるとき、
つまりごまかしをする人自身が、その行為から何も利益を得ない場合、
水増しの度合いはさらに高まったのだ。







engineer_takafumi at 23:05│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ 経済・会計・お金

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