2013年03月28日

愛着障害

本日は岡田 尊司氏の
愛着障害
です。
愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

本書は愛着障害というタイトルに感じるものがあり、購入しました。


愛着というと、子どもの問題、
さらに家庭に何らかの事情を抱えた人の問題、
と考えてしまいがちです。

しかし、この愛着という問題は、
大人になってからの行動にも大きな影響を及ぼすのです。

本書は子どもの頃の愛着行動と
大人になってからの行動の相関を明らかにしてくれます。

本書に自分の愛着スタイルのチェックシートなどもありますので、
自分の愛着行動をチェックしておくとよいでしょう。


なお、本書のかなりの部分は文豪や有名人、歴史上の人物などが
いかに愛着障害を抱えていたかという具体例に割かれています。

その中でも、近代日本文学の文豪達には愛着障害が多く、
夏目漱石、太宰治、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、…
など、みんな愛着障害を抱えていました。

本の中でも触れられていますが、
愛着障害は人付き合いに苦しむ反面、
大きなエネルギーを生み出す源ともなるのですね。


うまく人間関係が築けなくて悩んでいる人にお勧めです。
自分のルーツを知ることにより、
悩みを軽減したり、行動の指針を得たりできるでしょう。



母親に支配されて育った人の場合、母親には従順だが、
思い通りになる存在をみつけると、その人を支配するという傾向がよくみられる。


愛着障害の人は、誰に対しても心から信頼も尊敬もできず、
斜に構えた態度をとる一方で、
相手の顔色に敏感であるといった矛盾した傾向を往々にして抱えている。


道化役を演じてしまう人は、自己卑下的な傾向が強く、
その根底には自己否定感がある。
自分を粗末に扱うことで、相手に気を許してもらおうとするのである。
それも他者に対する一つの媚びであるが、
そうしないでは生きてこれなかった子ども時代の境遇が、そこに反映されている。


作家や文学者に、愛着障害を抱えた人が、異様なほどに多いということである。


二面性が、人間が本然的に抱える矛盾を際立たせ、
自己や社会に対する否定的は気分となって、ネガティブに作用することもあれば、
個性的な着眼につながるというプラスの作用を及ぼすこともあるのだ。


破壊的な創造など、安定した愛着に恵まれた人にとって、
命を懸けるまでには必要性をもたない


愛着スタイルを見分ける一つの良い指標は、ストレスや不安が高まったとき、
人との接触を求めようとするか、逆に求めなくなるかである。


不安型の人では、パートナーからの支えを必要としている間は
怒りが抑圧されるが、支えが必要なくなると、怒りが爆発するということである。


愛着障害の人は、「自分が他人から受けいれてもらえる」
と信じることができない。


親密さをベースとする愛着関係というものは、距離がとりにくく、
愛着障害を抱えた人にとっては、もっとも厄介で難易度の高いものである。
その点、社会的な役割とか職業的な役割を中心とした関係は、
親密さの問題を棚上げして結ぶこともできるし、
仕事上の関わりと割り切ることもできる。


愛着障害を克服するための究極の方法は、
「自分が自分の親になる」ということである。


夏目漱石は、人付き合いこそ悪かったが、
弟子になった若者たちとは熱心に関わりをもった。
父親としては失格といってよい漱石も、
門人にとっては、実に面倒見が良かったのだ。


自立の過程とは、自分が周囲に認められ受け入れられる過程であり、
同時に、そうした自分に対して、「これでいいんだ」
と納得する過程でもある。






engineer_takafumi at 01:04│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ 勉強・教育・心理

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