2013年05月05日

ABC予想入門

本日は黒川 信重氏の
ABC予想入門
です。
ABC予想入門 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


僕が子どもの頃は、数学の難問として有名なものは
フェルマーの定理でした。

しかし、フェルマーの定理は予想から約360年の時を経て
ワイルズによって証明されてしまいました。

そのフェルマーの定理に代わる数学界の代表的な難問が、
この本で取り上げられるABC予想です。


ただ、フェルマーの定理は、
中学生でも問題の意味くらいはわかりますが、
このABC予想は問題の意味を理解するだけで
それなりの素養が必要となっています。

実際、この本での目的はABC問題がどのようなものであるか
ということを理解することです。


なお、このABC予想は2013年時点で京大の望月教授が
証明を示したと主張しています。

数学の証明は検証だけで多大な時間がかかるので
これが本当に正しいか否かの判断はすぐにはできませんが、
もし正しければノーベル賞受賞を上回るほどの
インパクトがある出来事です。
何らかの社会的ブームが起こるかもしれませんね。


ABC予想に興味がある人はもちろん、
数学が好きな人にはお勧めの一冊です。





数学問題は時間をかければ解決に近づくというものではなく、
無駄な数十年を過ごすということもしばしば起こる。
数学の世界では、それは、ある意味で常態なので、奇異なことでないものの、
数学研究者個人のレベルで見ると、一生を無駄に過ごす、
ということも起こりうるのである。残酷と言えば、そうである。


「素数は無限個ある」という事実は、ギリシャ数学の驚くべき成果であった。
その証明は、実際に素数を作り出すやり方であった。


x→∞のときの極限が0か∞かを考える状況では、
定数K(ε)倍の有無は微々たる問題ですから、勝負に関係ありません。
したがって、試合において各々の関数を自由に定数倍しても良いという
ルールを設定するのです。


多項式が整数よりやさしいのは変数が入っているからです。
とくに、その変数についての微分が使えるので、
abc予想のときには話がずっとわかりやすくなります。







engineer_takafumi at 01:16│Comments(0)TrackBack(0) ★理系本の書評 |  ⇒ 数学

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