2014年02月20日

人体特許

本日は五十嵐享平氏の
人体特許
です。
人体特許: 狙われる遺伝子情報 (PHPサイエンス・ワールド新書 75)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書は遺伝子を中心とした、バイオ分野における
特許の現状について書かれたものです。

バイオの分野においては特許をどう適用させるかが難しいです。

例えば、特許は基本的に新規性のある構造を前提としていますが、
遺伝子情報を「発見」した場合、
それは特許として認められるべきなのでしょうか?

そんな、遺伝子における特許の状況が、
歴史も踏まえて、まとめられています。


それにしても、私もエンジニアをしていますが、
特許という制度って、人類にとって良いのかどうかわからなくなります。

確かに、科学技術の水準向上に役立ってきたと言えるでしょうが、
利益の分配が歪んでしまうなど、弊害が目立ってきたような気がします。

この本が指摘するように、この傾向が続くと、
緊急搬送してきた患者に、特許の問題で医師が適切な処置ができない
などという状況も、発生してくるでしょう。


生命科学にまつわる特許の問題を勉強したい人におすすめです。
興味深い話題で、この問題を学ぶことができるでしょう。



私は至って元気です。ハンチントン病の症状は全くありません。
しかし保険会社は遺伝子検査を受けないと、保険には入れないといいます。
私は自分が将来『ハンチントン病』になるかどうかは、知りたくありません。
知りたくないのです。


いまや遺伝子のみならず、一塩基のみ変異したSNPを解析していくことにより、
個人個人の薬に対する副作用、病気のなりやすさや体質が
明らかになりつつあるのである。


理化学研究所が特許申請した目的、それはおそらく営利を目的とした
企業や海外の研究機関などが特許化する前に特許権を取得することにより、
研究や医療での独占化を拒むという戦略も十分あると推測される。


特許権を濫用すれば、個々の尊厳を重んじた夢の医療である
「オーダーメイド医療」に弊害が生じ、何のためのSNP研究が分からなくなる。
まさに本末転倒の事態を引き起こしかねない。


微生物が生き物であるという事実は、特許法の目的からして、重要な問題ではない


患者が緊急搬送されてきた場合、医師が特許権者に許諾を得なければ、
生命を救えない事態に陥る可能性が生じるのではないか



民間が強い特許を持っていればコストを上げてくるでしょう。
私たちはまったく違うのです。特許は独占を防止するためのものです。







engineer_takafumi at 23:12│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

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