2014年04月15日

行動観察の基本

本日は松波 晴人氏の
行動観察の基本
です。
「行動観察」の基本

本書は「行動観察」について知りたくて購入しました。


著者は2005年に行動観察のビジネスを開始した
日本の行動観察の分野での第一人者です。

ただ、行動観察といっても、行動を観察するんだろうな、
ということは想像がついても、それ以上はよくわからない、
というのが、大多数の人の正直なところだと思います。

本書では、その行動観察の基礎や意義から、
実際の行動観察の例、そしてどのように行動観察を行うべきか
という一通りのことについて書かれています。

例としては、高齢者向けビジネス、中国人観光客へのビジネス、
飲食業のサービス、工事の職人さんのCS向上方法などが
紹介されています。

奇をてらったような結果が得られているわけではないですが、
確かな考察の元に、ビジネスに役立つ仮説が得られる
プロセスを学ぶことができました。


そもそもの話ですが、行動観察とは仮説を立てるためにあり、
検証するためにあるのではない、
というところが一番印象的でした。

恐らく、この部分は世の中で誤解している人が
多いのではないかと思います。


マーケティングや製品やサービスの企画を担当されている方には
特にお勧めの一冊です。
順序だてて、行動観察というテクニックを学ぶことができるでしょう。






「十人十色」より、もはや「一人十色」だな、ということである。


年次報告書で「外的要因」を挙げた企業の株価は
翌年も低迷しているのに対し、
「内的要因」を挙げた企業の株価は上昇している


人間は、自分の行動を自分ではあまり把握できていない


根拠を完璧にそろえて、論理的に構成された情報であっても、
「自分の思い」と異なる論理はその人にとっては
「屁理屈」でしかないのである。


行動観察は仮説を生み出すために実施しているものであり、
統計的検証をするために行っているものではない


イノベーションを求めるのであれば、
「しっかりと検証はなされているのか?」というこれまでの質問から、
「もっと新しくて興味深い仮説はないのか?」
という質問に変えていく必要がある。


Aさんがなぜコーラを選んだのかということを、
ビックデータは教えてくれない。


『Made in Japan』を買いたい。日本にしかないものを買いたいんです


アトラクションを取りこぼさないように頑張ることは、
本当にこの経験を楽しむことなのだろうか。
それは「楽しむ」というよりも、「作業をこなす」という
枠組みで考えてしまっているのではないだろうか。


中国人観光客の行動を観察していて強く感じずにいられなかったのは、
日本人との相違点よりも、共通する点の圧倒的な多さである。


行動観察においては、問題の本質をつきとめるために
じっくりと時間をかける。


自分が感じたように他人も感じる。
もちろんそういう場合もあるが、そうした固定観念だけで人を見ている限り、
行動観察での気づきは得られにくく、解釈を誤ることになる。


行動観察を実施するときのベストの状態とは、
自分は世の中の役に立つという確信を持ちながら、
全てを知っているわけではないという謙虚さを併せ持つことだ。


自分たちがコントロールできる部分はどこで、
自分たちではコントロールできない部分はどこか、を分けて考える






engineer_takafumi at 23:41│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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