2014年06月05日

Amazonランキングの謎を解く

本日は服部 哲弥氏の
Amazonランキングの謎を解く
です。
Amazonランキングの謎を解く: 確率的な順位付けが教える売上の構造 (DOJIN選書)

本書はAmazonランキングについて調べている時に見つけ
興味を持って購入しました。


AmazonランキングはAmazonで扱っている
全ての本についています。

この数百万冊という全ての本についているランキングが
どのようにつけられているか興味がないでしょうか?

実は、少なくとも10万位程度以下の本(言い換えれば大半の本)は
単に最後に売れた時間の近さによってつけられているのです。

つまり、累積販売数はほとんど関係ないということですね。


著者はこのAmazonランキングを数学モデルに落とし込み
実際のランキングと照らし合わせる研究を行います。

そして、著者は研究の末、重要な結論にたどり着きます。
それは、Amazonはロングテールで利益を出しているのではない、
ということです。

ロングテールの代表格として扱われるアマゾンは、
実は収益の大半は一般的なベストセラー書で得られているのです。

そんなことが、公開情報であるランキングと数学モデルによって
明らかになることに感動さえ感じました。

実は肝心の数学モデルの詳細を述べた部分は
ほとんど理解できなかったのですが、
数学のパワーはの偉大さはよくわかりました。


数学を学んでいる大学生にはお勧めの一冊です。
数学でこんな凄いことが発見できるということを、
身近な話題で学ぶことができるでしょう。



アマゾン書店の順位の大半は、インターネット時代以前は、
誰も順位付けする手間も技術ももっていなかった
―そして、(当事者以外には)順位付けをする動機すらなかった―
数値である。


本書の背景にある研究では、和書総点数をパラメータの一つとして
統計的に推測したが、実際動いているのは
(1年程度のあいだにアマゾン書店で1冊でも売れているのは)
100万点前後である。


アマゾン書店で売れ行きちょうど10万位の和書は、
アマゾン書店で1週間ないし2週間に1冊程度しか売れない。
アマゾン書店にある大半の本、言い換えると、平均的な普通の本は、
アマゾン書店では平均的には1週間に1冊売れない。


直前の位置が10万位か100万位かは関係なく、1回の注文で、
次の更新時におおむね1万位台ないしは2万位台に一気に上がる。


モデルだが、根幹は単純も単純、「最後に売れた順に並べる」
という規則である。


謝辞を書くことは普通の礼儀だが、
問題を提案してもらったという謝辞は多くはない。


普段100万位近いところにいる本の順位が
1冊売れただけで1万位近くに跳ぶということは、
1冊売れただけで1位になったと単純化するほうが、
図から受ける驚くほど大きな変化という印象をよく説明する


書籍点数の大部分を占める普通の本が点数Nの大きさを頼りに
束になってかかっても、ひと握りのビッグヒットの売上にかなわない。


ロングテールビジネスモデルの先駆的な例として
取り上げられたこともあるはずのアマゾン書店が、
品揃えの小さい、普通の書店と同じく、
少数のビッグヒットで収益を上げていることがわかった。
そのようなどちらかと言えば社内秘に属するであろう結論が、
ランキングという公開情報だけでわかったことになる。


順位という、人間社会に古くからあって注目されてきたテーマについて、
いまになってこのような単純な理論で説明できる現象が
はっきりと見えるようになったのは、インターネット時代になって、
膨大な数の商品を並べるオンライン小売業が成立し、
たくさんの消費者が購入活動をする様子が即座に
情報処理されて見ることができる。


起きていることの本質が損なわれない範囲で
できるだけ単純化することが理想化である。


学問や技術が進むと、簡単なモデルでは
現実の役にたたないという声が強くなりがちだが、
簡単な場合を押さえておかないと全体像を見失う。


過去の累積に準拠して順位を付ければ、1位はいつも聖書






engineer_takafumi at 00:13│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 一般・その他の科学

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