2014年03月05日

リストラなう!

本日は綿貫 智人氏の
リストラなう!
です。
リストラなう!

本書はリストラを実況したブログを書籍化したものとして
興味を持って購入しました。


元の興味はリストラだったのですが、
そのリストラ自体は、それほど厳しいものではなく、
ただ、退職金を割り増して希望者を募るという
ごくごく当たり前のものでした。

ただ、この本は出版業界の内側がわかるということで、
いちおう一冊の本の著者である私としては
とても興味をひかれるものでした。

本書はブログを書籍化しているのですが、
コメントも忠実に再現しており、
場内、場外で激論が繰り広げられています


営業と編集のせめぎ合い、
電子出版に対する業界の反応などには
とても考えさせられました。

また、業界の高給にも驚かされましたね。
ただ、大手に限ることでしょうし、
これからはそうもいかないのでしょうが……


出版社やマスコミ業界を志望する学生にお勧めです。
出版業界で働くこと、業界の課題を知ることができるでしょう。



リストラが始まると、
その会社でリストラから無縁な人なんかいなくなるんだよ。
対象じゃないやつだって苦しいんだから。


人間、何もしなかったら、仕事をやめたら生きる軸が失せてしまいます。
金など少々減っても仕事を失う悲劇に比べたら何ということはない。


いま会社に足らないのは、さらなる混乱だ。
もっともっと混乱して、秩序が崩壊する直前になれば、
きっと僕たちが使わずにいた潜在能力が立ちあがってくるんじゃないか


返本の可能性を危惧しつつ在庫をコントロールしている
出庫担当者と促進営業マンは、いきおい対立する。
せっかく注文とってきたのに出さないのかよ、といった
営業マンの恨みを買いながら、出庫担当者は我慢を重ねつつ
ちびちびと出庫して消化率を上げていくのである。
出庫担当者は憎まれ者で孤独なのだ。


仕事は、仕事ができる人のところに集中する。
これをある人は「仕事は寂しがりやだから」と言った。
言い得て妙だ。


ゲラを通読しなくても作品の問題性や立ち位置をわかってもらえる
ようなことってできないんですかね?
あるいは、この本を読む必然性を読者に感じてもらうとか


面白い本は安くすれば売れます。
ですが、つまらない本やいくら安くしても駄目です。
この点は他の商品を決定的に違います。


たとえば年収の金額を公開しなかったら、
このブログは今頃1日の閲覧者数十人くらいに戻ってたんじゃないか。
そうすれば、会社の人も安心して”たぬきち”を罰することができるだろう。
だが無視できないくらい注目を集めてしまった今、
”たぬきち”でいるのは意外と安全だ。


会社を失っても仕事を失わないための力は、
会社の仕事をしているだけじゃ身につかない。


ITこそ労働集約型さ。だから徹底して合理化するんじゃないか。


一冊の本がベストセラーとなり、書店からの注文が殺到し、
遂にはミリオンセラーとなり、300万部を市場に流すまでになる。
ところが、最終的に100万部が返品として戻って来てジ・エンド。
『窓ぎわのトットちゃん』という出版史に残るベストセラーは
出版社に赤字を残しただけでした。


読者の人生にその本の居場所を作ってやる。
それが「本をソーシャル化する」ことだと思う。
僕は、電子書籍をソーシャル化する仕事を、
書籍営業の次の大きな課題だと思っていたのだ。







engineer_takafumi at 23:41│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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