2014年04月28日

本当におもしろいマンガを描くためのプロットネームの作りかた

本日は榎本 秋氏、成 光雄氏の
本当におもしろいマンガを描くためのプロットネームの作りかた
です。
本当におもしろいマンガを描くためのプロットネームの作りかた―誰でもコミックデビュー!!

本書はマンガの観点からストーリの作り方を学びたくて購入しました。


マンガを学ぶ人は絵に注意を注ぎがちです。
もちろん、絵は非常に重要な要素なのですが、
それよりもストーリが面白いかどうかが一番なのです。

一方、マンガの描き方の本は世にたくさんありますが、
それは絵の描き方に焦点が当てられた本で、
ストーリに焦点が当たった本はあまりありませんでした。


本書は、プロットネームの作り方という観点で、
ストーリの作り方やコマ割りなどの技術が描かれています。

ネームとは、マンガの設計図で、
マンガの出来栄えを左右する大事なものです。

本書では、実際にプロの漫画家が読切マンガを書くことを想定し、
ネームから作品までの流れをたどることができます。

僕は、絵がダメなのでマンガは描けないのですが、
それでも一つのマンガが完成する過程は、
興味を持って読み進めることができました。



マンガを描きたい人はもちろん、
小説などを含めストーリを作る人にお勧めの一冊です。
ストーリの作り方の基本を学ぶことができるでしょう。





「テーマ」と「主人公の成長」は作品の質に大きく関わる重要な部分。


「王道」には廃れない面白さがある


人気のあるキャラクターの秘訣は、
読者の「憧れ」と「共感」を両方反映していることにある。


どうして主人公がその悩みやコンプレックスを抱くようになったのか、
そのきっかけをはっきりさせるのが大事。


「意外性」は、キャラを印象的に見せる効果がある


一番簡単なのは、「正反対」の要素を組み合わせること。
「不良に見えるが実は良い人」「おとなしそうに見えて言う時は言う」なそ、
両極端なイメージを組み合わせるといい


キャラクターの芯はしっかり決めた上で、ギャップをつけよう


主人公と同じ思考や同じ性格のキャラばかりでは、
意見のぶつかり合いが起こらず、盛り上がりも生まれない


「ここにこんや役割のキャラが欲しい」といった時には、
無理に主要キャラだけに絞らず、脇役やモブを登場させよう


マンガで最初に読者の目がいくのは、キャラクターの『目』である。


魅力的な外見のキャラクターを描く、ということは
『少なくとも自分がその外見を魅力的に感じていなければならない』
という基本事項がある。


読切マンガでは限りあるページの中で、ストーリーが完結している必要がある。
(中略)
その基本として抑えておきたいのが、
『主人公の目的が達成されていること』である。


マンガはアングルも演出も自由でやりたいようにやれる、
それが醍醐味のひとつでもある


ある程度のウソをついてでもカッコ良さ優先、という考えで描くと良いであろう。
しかし、リアリティは大切である。


性格ひとつ決めるにしてもあらゆるパターンを考えてみよう。
たとえば根暗な主人公を描こうと思った時、そのルーツを考えてみる。
元から根暗なのか、過去になにかあって根暗になったのか、
事情があって根暗なフリをしているのか、など。
この三人からはそれぞれ違うストーリーが生まれるだろう。


なによりも大事なのは、リアリティーのあるキャラクター、
つまり『人間を描く』という感覚だ。
自分の体験や思い出、他人から聞いた話などを活かして、
よりリアルにしよう。


資料を見なくても何でも忠実に描けるという人はほとんどおらず、
逆に言えば、良い資料を揃えてしっかりと描けばそれなりの画になるということ。


「起」の部分では説明が多くなりがちである。
読者が読み進めるにあたって、必要最低限の「解説」や「説明」に
とどめるように意識する。


相対する二人を配置するときは、攻める(優勢な)方が左向き、
守る(劣勢な)方が右向きにするのが基本。


最後の後日談を入れると収まりがよくなることが多い。
「話」の余韻として後味の良いエンディングは重要。


絵はマンガの「手段」であることを忘れないで欲しい。


学生が締切を守れず、苦しむ原因の多くがネームまでの迷走だからである。






engineer_takafumi at 22:39│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ 書き方・話し方・言語

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