2014年09月15日

リスク ―神々への反逆

本日はピーター バーンスタイン氏の
リスク ― 神々への反逆
です。
リスク〈上〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)リスク〈下〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)

本書は明日使える世界のビジネス書をあらすじで読むで紹介されており、
興味を持って購入しました。

現代社会では、科学や工学だけではなく
金融や保険の分野で高度な数学理論が使われています。

そして、科学で使われる数学と金融で使われる数学の違い、
それは確定的なものを扱うか、不確定なものを扱うか
というところにあるのです。

物理の実験は同じ条件では同じ結果が得られるはずですが、
金融や保険が相手にする証券や人はそうではありません。

本書は、そんな不確かなもの「リスク」に
人間がどのように向き合ってきたか、
その歴史を記したものです。

訳書ならではの読みにくさや難解さはありますが、
膨大な歴史がまとまっています。

紙と鉛筆片手にじっくりと精読する、
また概要をつかむために流し読みをする
どちらの学び方も可能な一冊です



数学や統計学の歴史に興味を持っている人にお勧めです。
不確実さと戦ってきた人間の営みを学べるでしょう。




われわれの生活は数字で満ち溢れているが、
時として数字は単なる道具であることを忘れてしまいがちである。
数字に魂はないし、実のところ迷信の対象でしかないのかもしれない。


ゼロについて大事なのは、それは人間の日常生活の営みとは
無縁であるという点である。
誰もゼロ匹の魚を買いに出かけたりはしない。
それは、ある意味で、あらゆる数字の中で最も文明的であり、
洗練された思考様式を採用する上でゼロを使うということが
必要になってきたのだ。


被害を受けることの恐怖感は、単に被害の大きさだけでなく、
その事象の確率にも比例すべきである。


冨の微量な増加から得られる効用は、
それ以前にその人が保有していた財の量に反比例する。


お若いの、これだけは覚えておいてくれ。
君は私を金持ちにする必要はない。
私は既に金持ちなのだから。


戦後の緊迫した状況下で、すべての問題が微分計算の
合理的応用と適切な効用序列での確率法則により
解決されると主張したのは、最も愚直な理論家だけだった。


真の長期的展望に立つ投資家(短期の変動に目をつむることができ、
また下落するものはいずれ持ち直すことを確信する
ウォーレン・バフェットのような少数派)にとっては、
少なくとも変動性の激しい証券が値動きの少ない証券よりも
高い収益率をもたらす傾向がある限り、
ボラティリティはリスクというより好機を表している。


有名な17世紀オランダのチューリップ・バブルは
チューリップそのものではなく、むしろチューリップのオプション取引に
関わるものが多く含まれている。


多くの人が無意識のうちにオプションの買い手になっている。


ほとんどの事業取引や金融取引は、低く買いたいという買い手の希望と
高く売りたいという売り手の希望とのぶつかり合いであり、
希望と希望の賭けのようなものである。
一方と当事者は常に失望する運命にある。
しかし、リスク・マネジメントのプロダクトは違う。
その取引が存在するのは、必ずしも誰かが利益を
追求するからというだけではなく、リスク回避者からリスクを取っても良いという
他者へリスクを転嫁する手法に対する要求があるからだ。








engineer_takafumi at 23:44│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ 経済・会計・お金

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