2014年11月03日

自分思考

本日は山口絵理子氏の
自分思考
です。
自分思考

山口さんの裸でも生きる には大変勇気づけられましたので、
他の著書も読んでみようと購入しました。


裸でも生きる という本には著者がしたこと、
著者に起こったことが書いているのに対して、
本書はその中での、著者の心の中に焦点を当てています。

慶応を出て、いきなりバングラディッシュの大学院に通う。
常人から見ると、とても信じられない行動なのですが、
その中で山口さんがどんなことを考えていたか、
それを垣間見ることができる一冊です。


山口さんの成し遂げたことは大きすぎて、
とても自分達と同じ人間とは感じられないのですが、
この本を読むと、山口さんも超人なのではなく
自分達と同じような人間なんだな、と思わせられます。

それだからこそ、わずかな思考の違いが
人生を大きく変えることがあると、
強く認識させられるのです。


個人的には「夢は雲」という話に強く心を打たれました。
これだけのことを成し遂げた著者が言うこの言葉には
とてつもない重みがあると思います。
「夢をもって歩いていこう!」なんて、よく聞く言葉だけれど、
それが実現したとき、幸せになれるってことは、
どこにも書いていないし、誰も言っちゃくれない



将来の進路を考える学生にお勧めの一冊です。
大きなことを成し遂げた著者の思考が一歩ずつ語られていて
未来を考える上でとても参考になることでしょう。



行きたいっていうより、行かなきゃいけないんじゃないの?
と思うような感覚だった。
使命感なんてすごいものでは全然ないけれど、
何かにとりつかれているような感覚だった。


手足がなくても生きている人たちを目の前に、なんというか、
恥ずかしくない選択をしようと思ったのだった。


私はバングラディッシュに行ってみて、援助ってかなりの部分は
届いていないんだっていう事実を"主観的"に知った。


それを「生産者の自立」というキーワードで支えている
現地のボランティアやNGO組織がいた。
その商品を「支える」気持ちで買う先進国の消費者がいた。
それは、ある意味成り立っていた。
けれど、直感的に強く感じたのは、その構図には「消費者の満足」っていう、
すごく大事な視点が欠如しているように思えた。


MBAのビジネスプランでマザーハウスのビジネスを
プレゼンテーションしたら、100人いたら全員が無理だっていう。
MBAでできないことの理由付けをする分析家ばかりが
増えてしまっては絶対にだめだ。
客観的な分析ではできないことも、強い主観があればそれを打ち負かす


何かをまずはじめようと思う時に必要なのは、
現実的なエクセルよりも「夢のスケッチブック」なんじゃないかなと思う。


「これをやりたい!」と思えた時点で心の準備は
8割終わっているのかもしれない。


「一歩でも半歩でも踏み出してみること」と、
「その場に立ち止まって考えている」のとでは、
雲泥の差なんだということ。


ファッションやデザインに興味がある人と
途上国に興味を持っている人はある意味対極だった。


最後、進むかどうかを決めるのは正しさではなく、自分の心だということ。
それは客観ではなくって、そこまで悩んだ末に、
100パーセントの主観で決断する。


「また夢が現実になった……」
そう思った私はふと足を止めて、今の自分の不思議な感情について
理解しようとしていた。
それは「うれしくって仕方がない」でもなく、
「明日が不安で仕方がない」でもなく、
「どきどきした興奮する気持ち」でもなく、
また「ここまでやったんだっていう達成感」でもなかった。


「夢は雲だった」って。
掴んだら、消えていってしまったんだ。
あっという間に、気が付かない間に、どこかに消えてなくなってしまった。
そして、また空を見たら、新しい雲と、新しい雲が浮かんでいた。
それは前よりももっと広く、深く、澄んだ空と、
前よりもずっと大きくて真っ白な雲だった。


「夢をもって歩いていこう!」なんて、よく聞く言葉だけれど、
それが実現したとき、幸せになれるってことは、
どこにも書いていないし、誰も言っちゃくれない。






engineer_takafumi at 11:26│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ エッセイ

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