2014年12月27日

ピクサー流 創造するちから

本日はエド・キャットムル氏の
ピクサー流 創造するちから
です。
ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

本書はピクサーに興味を持っていたので購入しました。

ピクサーは『トイストーリー』や『モンスターズインク』など
ワールドワイドでのヒットを飛ばしたアニメーションスタジオですが、
僕が興味を持ったきっかけはスティーブ・ジョブズでした。

ピクサーは本書の著者であるエド・キャットムルと
映画監督であるジョン・ラセターを中心とした会社です

二人は早くからCGアニメーションの可能性に目をつけ、
事業化を模索していきます。

ただ、新しいことということもあり、なかなかうまくは行かないのですが、
ジョブズという理解者も得ることができ、
最終的には衆知のような偉大な成功を勝ち取るのです。

本書はマネジメントに焦点があてられており、
作品の芸術性とお金(利益)の両立に葛藤する
経営者の姿が描かれていました。


なお、本書の最後の章ではジョブズについて語られています。
確かに、彼はピクサーに多大な貢献をしているのですが、
同時に彼がピクサーから受け取ったものも大きいと感じました。

おそらく、ジョブズとピクサーの関わりなしには、
iPodやiPhoneが世に出ることもなかったのではないでしょうか。



技術とアートの融合について学びたい人には必読の一冊です。
ピクサーの歴史を通じて、技術とアートをマネジメントする際の
困難ややりがいを学ぶことができるでしょう。





ピクサーを特別足らしめているもの、
それは「問題は必ず起こる」と思って仕事をしていることだ。


クリエイティブな発想において、役職や上下関係は無意味だ。
私はそう信じている。ところが知らず知らずのうちに、
このテーブルがそれとは逆のメッセージを発信していた。


本当に優れたアニメーションとは、画面上のキャラクターが
考える能力を持っているように思わせるものだ。


アイデアは人が考えるものだ。
だからアイデアよりも人のほうが大事だ。


『トイ・ストーリー2』の製作での苦労を通して、内なる目が芽生えた。
自分を批判的に見つめ直し、自己認識を改めるきっかけになった。


作品の問題点を特定するのは比較的簡単だが、
その要因を探るのはきわめて難しい。


ブレインドラストは、監督の問題を解決すべきではないのだ。
なぜなら、ブレインドラストが思いつく解決策は、
十中八九、監督やそのクリエイティブチームが思いつく
解決策には及ばないからだ。


ブレインドラストは率直な批評が重要だと言ったが、
当然、製作スタッフが本音を聞く覚悟ができていることも重要だ。


ブレインドラスト会議での活発な議論は、
誰かが勝っていい気分になるために行うのではない。
本音を掘り起こす以外に、「論争」を行う理由はないのだ。


ブレインドラストは、何かがおかしいと気づいたとしても、
その症状を誤って診断する場合があります。


変えたのは、ヘレンの体を『負けないわよ』とでも
言っているように大きくしただけです。
修正したシーンを上映したら、ブレインドラストに
『ずいぶんよくなったけど、どのセリフを変えたの?』
と聞かれたので、『一文字も変えてません』と答えましたよ。


計画が入念すぎる人は、失敗するまでに人より時間がかかる。
これも当然の結果だ。
時間をかけて考えた分だけ、そのやり方に対する思い入れが強くなる。
それがぬかるみの轍のように頭の中で凝り固まる。
そこから抜け出せなくなり、一番やらなくてはいけない
「方向転換」が困難になる。


効率化や増産が究極の目的に取って代わり、
それを社員が正しいと思い込めば会社は破綻する。


たとえ評論家にこき下ろされ三流品と呼ばれたとしても、
料理自体のほうが評論より意味があるのだ。


会社がうまくいっているときは、リーダーが抜け目のない
判断を下した結果だと考えるのは自然なことだ。
そのようなリーダーたちは、会社を繁栄させるカギを見つけた
とさえ信じるようになる。
実際には、偶発性や幸運が果たした役割が大きい。


不思議なことに、リサーチが作品に与える信憑性は、
映画が描いている現実について観客が知らない場合でも必ず伝わる。


描く対象や設定に精通しているという自身は、
映画のどこを切ってもにじみ出るものだ。
それは、目に見えない原動力であり、
心を打つような真実を伝える努力をしているという、
つくり手と観客との暗黙の約束だ。その約束を守ろうとするとき、
どんなディテールも細かすぎるということはない。


芸術は技術を挑発し、技術は芸術に刺激を与える。


画家の卵は、椅子を描こうとしても、そのあるべき姿を知っているために、
上手に描くことができない(頭の中にある椅子のメンタルモデルが、
目の前にあるものを正確に再現することを妨げる)。
ところが、椅子ではないもの(椅子の脚の間の空間など)を
描くように言われると、バランスを正しくとりやすくなり、
椅子自体がよりリアルに見えるようになる。


「測定できないものは管理できない」
ビジネスや教育の現場でよくそう言われ、信じられている。とんでもない。
どれだけのものが見えずに隠れているか、
それに気づいていない人にしか言えない言葉だ。


スティーブが理屈より情熱を優先するとは限らない。
彼は、感情で物事を判断してはいけないとわかっていた。
だが同時に、創造性が直線的に生まれないことや、
芸術とビジネスは違うこと、金儲けの論理を押しつけることは、
ピクサーが他と一線を画しているものを妨げる危険が
あることも理解していた。


彼にとってピクサーは副業だったがゆえにひとしおよく見え、
直観や経験ではわからない存在だった。
(中略)
ピクサーは、彼が少しリラックスして遊べる場所だった。
あの激しさを失うことはけっしてなかったが、
聞く力をどんどん身につけていった。






engineer_takafumi at 01:43│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ 経営

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