2015年03月09日

頑張らない基礎英語

本日は西澤 ロイ 氏の
頑張らない基礎英語
です。


本書は出版社より献本いただきました。
あさ出版様、ありがとうございました。


本書は頑張らない英文法の続編に位置する一冊です。

前著と同様に、学校で学ぶ英文法と実際に使われる英語の
隙間を上手に埋めてくれる一冊に仕上がっています。

今回は時制や不定詞、仮定法などに焦点が当てられています。
個人的には苦手な完了形に関する記述が大変参考になりました。


ただ、気をつけなければいけないのが、「基礎」とはありますが、
全くの初心者だと本書を読むのは厳しいということです。

高校の文法は一通り勉強したことがあることが前提です。
(詳細を覚えている必要はありません)

例えば、「不定詞」や「時制の一致」、「仮定法」といった言葉を聞いて
「そんなのもあったな」程度の認識は必要です。
聞いたこともないと思うのであれば、
まず基礎的な文法を勉強する必要があるかもしれません。


そろそろ新学期の季節ですので、大学の新入生にお勧めの一冊です。
入試で学んだ英語の生きた姿を知ることができるでしょう。
まだ入試で学んだ知識が残っているうちに読むことをお勧めします。



makeやreadはingがつくことで、動詞ではなくなり形容詞になっています。
ですから、He playing baseball. だと動詞が欠けてしまい、文になりません。
そこでbe動詞が使われるのです。


進行形を目にした時には、「…ている」と日本語に訳してしまうのではなく、
その動作を行っている「最中」だということを感じて下さい。


日本語では「命令」という言葉には強い、思い感じがありますが、
英語では感覚が少し違います。
「必須/緊急である」ことを伝える形とされていて、
単純な指示でも命令形を使います。


時制のない原形は「非現実」を表します。
要するに「事実ではない」ということです。
言い換えれば「実際には行っていない」、もしくは
「まだ行っていない」ことなどを指します。


助動詞が表しているのはあくまでも「心的態度」、
つまり「発言者が(勝手に)感じていること」に過ぎません。


I could go home.は「家に帰ろうと思えば帰れた
(実際には帰らなかった)」という反対の意味になるのです。


to不定詞は、日本語の"連用形"と一緒


to不定詞で文を始めると、それが「主語」かどうかが
一瞬では判断がつかないのです。


意味的に「まだしていない」ことを前提とする動詞は
to不定詞を取る傾向があります。


「非事実」であるという感覚、「矢印」を表すtoの「向かう」感覚が、
やはりここでも共通しています。


日本語の「たぶん」は「多分にある」、
つまり「来る可能性の方が高い」という意味です。
それに一番近い英単語はprobably(たぶん、おそらく)です。


「トキの流れ」の中の、過去の時点から見て、
そういう「さらに過去があった」ことを敢えて伝えるのが過去完了形です。


過去完了形も、時制の一致の例外として出てくる現在形も、
出現頻度はそんなに高くありません(特に現在形)。
だからこそ、それが出てきた時に「おっ!」と感じられることが、
英語感覚を掴む上では大切なのです。


「可能性があった…(でもしなかった)」という"反語"的な
意味を持たせるのが仮定法なのです。








engineer_takafumi at 00:37│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 書き方・話し方・言語

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