2017年05月25日

清朝の王女に生れて

本日は愛新覚羅 顕 の
清朝の王女に生れて
です。
清朝の王女に生れて―日中のはざまで (中公文庫BIBLIO)


本書は清朝八大親王の末娘として
生まれた著者による一冊です。

日本で学ぶが、太平洋戦争を経て、中国に帰国。
食堂の経営や翻訳者として生計を立てるものの、
反右派運動が激しくなる中、逮捕・投獄される。
15年の獄中生活、7年の強制労働を経て、
ようやく自由の身になるという、
時代の波にもまれ続けた人生を生きています。

元々王女として高貴な身分として生まれ、
何不自由ない教育を受けてきたわけですから、
その後の極貧生活、20年以上にもわたる
獄中・強制労働生活は大変だったでしょう。

しかし、生来の性格か、くじけることなく、
一生懸命生きる(2014年に亡くなられたそうです)、
姿に感動を感じました。


例えば学校で歴史を勉強して、
戦時中に興味を持った方にお薦めの一冊です。
一人の人生を通して、歴史を見ることにより、
より理解が深まるでしょう。





私は中国人でありながら中国を知らず、
物事に対する受け取り方、
考え方まで日本化していた上に、解放後は生活に追われ、
家族九人を養っての無我夢中の暮らしであったため、
共産党と社会主義の勉強もせず、
政治的自覚は完全にゼロでした。


十年以上もたってやっと日本の友人を持つ事が出来、
日本語で自由自在に話をする事が私をして、
目前の全てをわすれさせ、
ただひたすらに、日本を恋しがらせたのです。
私は中国の学校へ一日も行ったことがありません。
小学校から大学まで全部日本の学校でしたので、
友人という友人は日本人ずくめです。


私は、反右派運動の時の少しも自分が、
反党反社会分子であるなどとは思いませんでした。
少しも悪びれた気はありませんでした。


お前は、あまりにも獄則を疎かにしすぎる。
依って、よろしく反省させるため、今日より労働を停止し、
部屋に帰って自分の犯罪についての
思想根源をえぐりだせ


国民党が入って来ると家に共産党がいないかと捜査し、
共産党は国民党の事を聞く、といったわけで、
双方とも食料や薪等を提供させるので、
二重の負担に苦しんだのです。


思想改造、思想改造と毎日のように
教育されていたはずなのに、
十年(彼女は十年の刑でした)たった現在、
まだ少しも改まった様子はありません。
しみじみ、自覚の無い人間は恐ろしいと思いました。


第一に出身が非常に悪いのです。
私の家は、地主も地主の大地主です
(自分が清王朝の王女だとは、さすがに口にできませんでした)


彼等は貧しくて、色々見聞する機会もなかったのは、
社会の問題です。
(中略)
彼等と自分の感情の違和感は、私の方が「改造」
すべきなのだと思いました。
私は高等教育をうけた恩恵は否定しません。
ただ、中国人として、
自分の祖国に対する知識がなさすぎるのです。















engineer_takafumi at 01:09│Comments(0)★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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