2015年11月25日

インターネット的

本日は糸井 重里氏の
インターネット的
です。


本書はデザイナーの知人に勧められて、購入しました。


著者はコピーライターで、多方面で活躍されている
糸井重里氏です。

この本は初版が2001年で、
日本でインターネットがはやり始めた頃になります。

当時はスマホがないので、
ネットにつなげるにはパソコンが不可欠でした。

そして、2000年前後は、パソコンが一部のマニアのものから、
普通の人が使う家電のようなものに変わり始めていた時期ですね。
まだ、ネットが今のように当たり前のものにはなっていませんでした。


そんなこの本が今になって注目されはじめたのは、
本書が「予言の書」になっているからです。

つまり、インターネットがどのように世界を変えていくか、
それをこの時点で的確に予測していたのです。

リンク、シェア、グローバルなど、キーワードとしては存在していましたが、
同時それは単なるバズワードであり、中身が乏しいものでした。

それが、世界に与える影響をここまで正確に考察できていた
ということは、本当にすごい事だと思います。


個人的には、消費のクリエイティブ、という概念が心に残りました。


ネット業界で仕事をはじめる人にお勧めの一冊です。
今となっては空気のようなインターネットの本質が何なのか
正しく理解することができるでしょう。




たくさん出す人、いっぱいサービスする人のところに、
いい情報が集まってくるのですから、みんなによろこんでもらうことを、
完成形など待たずにひっきりなしに提供していくことが、
いい情報を集める方法でもあるのですね。


仕事をしている人は、時間に貧乏しているのですから、
時間にリッチな人々の後をついていくしかないのですね。


お年を召したリーダーのほうが冒険的で
決断力に富んでいるように思えるのは、
「迷いの時間」が少ないからなのではないでしょうか。


自分の「やりたいこと」は何なのかを探すことが、
実は一番難しいことで、それを探したらもう失敗なんて
あり得ないとさえいえるのです。


日本での、ユーザーが大きな商品環境をつくるという例では、
何より強力だったのは「宮内庁御用達」のイメージでしょうね。


お金をたくさん稼いだ人が、どういうことをするか、
というのは、その国の消費の文化水準を表すと思うのですが。
(中略)
セットメニュー、パック旅行のように、買えば買えるもの、
みんなもほしがるだろうと予想できるものを揃えることは、
消費を豊かにしてくれたりはしません。


市場がメインになって、市場の主役は消費者で、
というふうに考えられるのだから、
消費のクリエイティブこそが次の時代の大事な軸になるんだ
と思いたい。


いいと思ったものを、他と比べないで誉める練習というものを
やってみるというのは、どうでしょう。


企業のページが総じて面白さに欠ける理由は、
「企業」というものが持っているはずの「世界観」やら「人間観」「幸せ観」
ひいては「商品観」などが表現されていないせいかもしれません。








engineer_takafumi at 22:06│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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