2015年10月19日

文章は読むだけで上手くなる

本日は渋谷 和宏氏の
文章は読むだけで上手くなる
です。


本書は文章がうまくなりたくて購入しました。

著者は日経BP社に入社後、日経ビジネスアソシエを創刊して、
初代編集長として活躍されたり、日経ビジネスの発行人も
勤められた、ビジネス文書のプロ中のプロです。


本書は、そんな著者による文章論です。
本書では文章は読むことで上手くなれると説いています。

例えば、画家は実際に筆を取らずとも、
目で対象物を見るだけで、明暗や形を解析することにより
デッサン力が磨かれていくそうです。

文章でも、基本となるポイントを押さえれば、
人の文章を読んで解析するだけで、
文章力が磨かれるようになるのです。

リーダーの文とフォロワーの文、
文章のスケルトンという考え方は
書き手にとって絶対理解しておくべきです。


メルマガやコラムなどでも、仕事で読者に文章を書くことが
ある人に、強くお勧めしたい一冊です。
読み終わると、次に書く文章から、すぐに効果がでることと思います。




リーダーとしての文を小段落の先頭に置き、
フォロワーとしても文をその後に続ける。


リーダーとしての文を小段落から独立させる


頭の中で、リーダーとしての文を小段落の文頭に移動させ、
読みやすく、わかりやすい文章に直す。


文章を読んでいて、リーダーとしての文が小段落のどこにも存在せず、
つまみどころがない印象だったら、論旨が明確になるように、
その小段落にふさわしいリーダーとしての文を考えてみる―。


書き手の個性は「フォロワーとしての文」よりも
「リーダーとしての文」に、より色濃く反映されます。


「リーダーとして文」を考え出すコツその三は、
"自分なら"どう表現するか読みながら考える実践を通じて、
"自分を"どう表現するかも考えるシミュレーションにほかならない


「目でデッサンをする」をご存知でしょうか。
画家やデザイナーの卵たちはデッサンを繰り返すうちに、
ふだんから物の形や明暗に注意を払うようになり、
やがて物を注視するだけで木炭や鉛筆を使わずとも
デッサン力が磨かれていきます。


「リーダーとしての文」をつなげると明確なスケルトン(骨格)ができあがる


▽(逆三角)型はインパクトのある一文
もしくは小段落で文章が始まります。


▽(逆三角)型の冒頭は突飛なたとえばかりではありません。
印象的なエピソードやコメント、ひねった問いかけから
始まる場合もあります。


雑誌記事や書籍の文章には「印象的なエピソード」から始まる
▽(逆三角)型の構成がしばしば使われます。


「リーダーとしての文」をつなげてみて、論旨がすっきりつながったら、
ここで初めて導入部分しなわち書き出しを考えます。


企画の漠然性(意味する範囲の広さ)と汎用性(ありふれた印象)には
正の相関があるのです。


季節という「今」は企画を絞り込むうえでとても便利な切り口です。


絞り込んだ内容を通じて、どんな普遍的なメッセージを発せられるか考える


入り口は狭いが出口は広い、ちょうど「⊥」のようなイメージで
内容とメッセージを考える―
これが読者の興味・関心と共感を得るコツだ


なぜ入り口が広いと読者からそっぽを向かれてしまうのでしょうか。
読者は一瞬で「読みたいページはそれほど多くはないな」
と見抜いてしまうからです。


具体性を欠いた言葉である"こと"と"なか"が全体を
曖昧にしてしまっているのです。


新聞記事は特殊な状況で執筆されています。
簡潔に要点を伝える文体にはおおいに学ぶべきところがありますが、
表現についてはむしろ反面教師にするぐらいの気持ちで読むのが
いいかもしれません。


読者は「説明」したい誘惑に駆られながらも、
辛抱強く登場人物の視界に映る限定的な世界を
描かなければなりません。それが「描写」です。


「描写」は文章に時間の流れを生じさせます。


文の順番のルールを守って書くと、
意識しなくても語尾には自然に変化が生じるのです。
小段落を代表する「リーダー(牽引役)としての文」と、
それを証明したり補足したり説明したりする
「フォロワー(付き従う者)としての文」とでは役割が違うので、
自ずと語尾が異なってくるからです。








engineer_takafumi at 00:10│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 書き方・話し方・言語

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