2015年12月14日

広告コピーってこう書くんだ!相談室

本日は谷山雅計氏の
広告コピーってこう書くんだ!相談室
です。
広告コピーってこう書くんだ! 相談室(袋とじつき)

本書は私が非常に影響を受けた本広告コピーってこう書くんだ!読本
の続編として、迷わず購入しました。


著者の谷山氏は博報堂で活躍され、
今は独立されているコピーライターです。

主な作品は東京ガスの「ガス・パッ・チョー」、
資生堂「日本の女性は美しい」、新潮文庫「Yonda?」など
誰でも聞いたことのあるような名コピーを残されています。


さて、この谷山さんは、本書の中で自分でも言っているように、
コピーライターの中でも、論理的な方です。

つまり、クリエイティブ業というと「創作はフィーリングだ!」
という印象があって、実際にそういう方も多くいるみたいですが、
この谷山さんには、コピー作りのロジックを明確に持っているのです。

前作の広告コピーってこう書くんだ!読本はそんなロジックが、
エンジニアである私に深く響き、
クリエイティブ業に深い興味を持つきっかけとなりました。

本書は前作の続編として、相談室、つまりQ&A形式にして
前作の補完をしています。

前作が非常に完成度の高い一冊ではあったのですが、
本書により「散らかすコツ」や「将軍コピーの書き方」など
前作でやや説明不足たった部分のの理解が進む一冊です。

また、「ガス・パッ・チョー」が生まれた背景として、
袋とじで著者の製作ノートが公開されていて
とても興味深く読むことができました。


個人的には、無茶なダメ出しが良い広告を作る、
という話が「ゲゲゲの鬼太郎」のエピソードと絡んで
特に印象的でした。


広告業を志望する若い方には前著と含めて
必読の一冊だと思います。
広告を作るという仕事の基礎を学べることでしょう。



「このくらいでいいんだ」に慣れてしまうと、
何年かして高いハードルの仕事に出くわしたときに、
もう越えられないんですよ。


当然、ひとことにしたら、
意味としてこぼれ落ちていく部分がたくさん出てきます。
伝えるべき100パーセントは、そこに"込められない"わけですから。


本当の広告のプロなら、自分にとってどうかというだけでなく、
世の中のさまざまな種類の人間になりかわって、
「こういうターゲットには、こういう気持ちを届けられるのでは」と、
たくさんの可能性をひとりでシミュレーションしてくれます。


自分が受け手のときは、つくり手の目で考えて、
つくり手のときは、受け手の目で考える。
それを日常のなかで、完全に習慣化してしまうということです。


コピーの第一の目的が解決であることはまちがいありません。


コピーライターという仕事は、
他人と同じような気持ちを感じ取ったうえで、
他人とちがうことを考えるのが基本だから、
その2つをアタマのなかで融合できる「変で素直な人」が
向いていると思うんです。


無茶としか思えないようなダメ出しをきっかけに、
たくさんのすばらしい広告が生まれている


個人とか、少人数で考えたものって、完成度は高いのだけど、
どうしても狭く閉じてしまうところもあるんですね。
ダメ出しを通じて、そこに別の人たちの視点が入ってくることで、
いい意味で雑味が混じって、大きく広がるものになるケースも多いんです。


水木しげるさんの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』のタイトルも、
じつはそうやって生まれたものだそうです。
もともと、雑誌に掲載されていたときは
『墓場の鬼太郎』だったのだけど、テレビアニメになるときに、
「そんな縁起がわるいタイトルじゃ、お金なんか出せないよ」
と、スポンサーからクレームがついたというんですね。
で、タイトルを変えようということになるわけですが、
作者の水木さんにしてみれば、鬼太郎は墓場で生まれた
妖怪という設定ですから、やっぱり「墓場の鬼太郎」です。
もしそれにこだわっていたら、
あの漫画はアニメにならなかっただろうし
いまみたいに後世に名を残す
人気作にならなかったかもしれません。


コピーライターの仕事は、"会議室"にいて
原稿用紙のうえで事件を起こすことです。


「自分らしさ、自分らしさって、あんまりいわないほうがいいよ」
とおっしゃったんです。
「自分でわかっていない自分が、出てこなくなるから」と。


むしろ、いつもタメ口で話す人は、絶対だれかに
「そんなことじゃダメだ」と注意されるから、
ほとんどの場合はいつのまにか矯正されて、
適正な距離感が取れるようになるけれど、
敬語だけで話す人はだれにも注意されないから、
なかなかなおらない。
そっちのほうが、(一般生活では問題がなくとも、
コミュニケーションを仕事にする場合は)
タチがわるい可能性もあります。


うますぎるものには、つくり手の自慢が入り、
わび数奇のおもしろさは出ぬ


「いいこと」のような、どんな企業やブランドにも
あてはまってしまう言葉ではなくて、
その企業やブランドならではの言葉になっているかどうか。


あえてひと目ではわからず、受け手のアタマにちょっとだけ
"汗をかかせる"ような言葉をつくる。


彼らが考えるアイデアやコピーは、ただおもしろいだけじゃなくて、
選ぶ人たちから見て、ちゃんと"実現したいもの"になっているんですね。


コピーを書いていると、うまく書けない時間というのがやっぱりあって、
たぶんそうだったのだろうと思います。
でも、そういうときに筆を止めると本当に書けなくなってしまうので、
よくないコピーしか書けなくても、
とにかく筆を止めずに書いているんです。


世の中の広告には「10年くらい経ったら」とか、
「そのうち」という話がすごく多いので、
「ちゃんと期限を決めて、きっちりやる企業です」
と宣言したらどうかと思ったんです。


「ガス、晴れる。」は、一瞬、そんなにわるくないように思えるのだけど、
こうやってつかうと霧とかモヤの意味でのガスになってしまいます。
それに、「晴れる」はいい意味ですから、
その前のガスが立ちこめた状態はネガティブです。
ガス自体をわるい意味でつかってしまっています。


「あったかいほうのミライ」と表現したんです。
このコピーは、ぼく自身もそれなりにいいと思っていて、
プレゼンでも提案しました。
でも、「あったかい」「未来」と並ぶと、温暖化を進めているみたいだから
と見送りになったのですが…、
いま思うとクライアントのその判断のほうが、絶対的に正しいですね。








engineer_takafumi at 01:24│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ クリエイティブ

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