2016年09月26日

手書きの戦略論

本日は磯部光毅氏の
手書きの戦略論
です。
手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略

本書はマーケティングやコミュニケーションの良書と聞き、
興味を持って購入しました。


著者は「ザ・プレミアムモルツ」や「伊右衛門」、
ダイハツの「タント」など、数々のメジャーブランドを、
クリエイティブとブランド戦略の両面から手がけてきた
実績を持ちます。

本書はそんな著者が書いた
コミュニケーション戦略の教科書です。

特徴は非常に論理的というところで、
まず戦略を7層に分けて論理的に解説します。

マーケティング論なので、難しい専門用語なども
たくさん登場するのですが、
わかりやすい例えや言い換えがされていて
さすが、コピーライターとしても一流の方だな
と感心させられました。


個人的には「インサイト」という言葉が、
この本でやっと理解することができたので、
大変満足しました。


マーケティングや広報などに配属された
新入社員にお勧めの一冊です。
教科書として、会社の机の上においておけば
いざという時の力になってくれるでしょう。




「ポジショニング」を一言でいえば、
「違い」によって一を動かす戦略論。


その広告が何かを提案していて、それが独自なもので、
売りにつながるものであれば、USPの条件を満たしている


サニーは排気量でカローラに優っていましたが、
「排気量が大きい」とストレートに言うのではなく
「隣りのクルマが小さく見えます」とうまく表現したわけです。


「偽りの差異」とは、顧客にとって
まったく意味も興味もないささいな違いのこと。
そんな微妙な差別化ポイントですから、
大金を使って広告したわりには効果が出ない。
なぜって、そもそもそんな違いはお客さんにとっては
「どうでもいい」から……なんてことが起きてしまうわけです。


プランニングをする際にはまず、お客さんが自社商品と他社商品を
どう認識しているのかを知ることが重要です。


僕の考えでは、究極のところ、ポジショニング戦略によって
自ブランドを魅力的に見せる方法は、次の2つしかありません。
A:既存の価値軸の中で競合に勝る違いをつくる
B:まったく新しい価値軸を打ち立てて違いをつくる


「ブランド論」は、「らしさ」の記憶こそが一を動かすという考え方。


アイデンティティを「規定」することは、過度なブランドの
固定化・ルール化につながっていき、やがてルールの遵守そのものが
目的化してしまうといった事態を引き起こします。


「こんな素敵なことがあるから期待してくださいね」
という期待感をつくり、納得や満足につながれば、高いお金を払ったり、
くり返し購入する動機になるのです。


今やブランドが世の中に存在する意義を証明しなければ
お客さんからの共感と尊敬は得られません。
どういう種類の「良きこと」を提供できるのか、
それが世界をどう良くしていくのかを明確にする必要があるのです。


最近では、ブランドの中心概念として、
ブランドエッセンス(ブランドの本質的な価値)やコアバリューよりも、
ブランドミッションやビジョンを据えるほうが一般的。
ブランドミッションを持つことで、社会における役割を
はっきりさせられるし、ブランドビジョンを持つことで、
どこへ向かっていくべきかが明確になります。
それが、ブランディングという動的な活動の指針になるわけです。


アカウントプランニングはインサイト、
つまり「深層心理」が人を動かすというアプローチ。


アカウントプランナーは、消費者心理を洞察する高いスキルをベースに
クリエイティブ開発プロセスに参加し、かつクライアントと向き合って
ビジネスの成功に貢献するという難易度の高い役職。


通常の調査などですぐにわかるようなブランド認識はパーセプション、
ふだんは表れないような深層心理や無意識がインサイトです。


違和感に敏感になることが、インサイト発見のきっかけ。


ダイレクト論は、「反応」の喚起が人を動かすと考える戦略論です。


ダイレクトマーケティングの反意語は「リテール(小売り)マーケティング」。


ダイレクトレスポンス広告の反意語は「ブランド広告」。


なぜネット広告はダイレクトに向いているのか。
それは広告効果のデータを可視化(緻密な計測)することが可能であり、
ターゲティング効率化のためのテクノロジーがあるからです。


カテゴリーへの知識が少ない人ほど、知名度の高い会社を選びがちです。


IMCとは、統合マーケティングコミュニケーション
(Integrated Marketing Communications)のこと。
お客さんとの接点において、メッセージとメディアを複合的に用いる
アプローチで、「接点」の統合が人を動かすという戦略論です。


エンゲージメントとは、お客さんが能動的に関与することで生まれる、
心理的なつながりである


言いたいことをそのままメッセージする「広告」が
スルーされてしまうのなら、受け手が自発的に興味を持つこと、
行動を起こしたくなる形に変えて届けようじゃないか


エンゲージメントは、お客さんと正面から向き合って、
お客さんを口説き落とすというようなアプローチではありません。
お客さんの横に座って同じ方向を向き、一緒に考えたり、行動したり、
共感したり、言ってみれば友だちのような関係のつくり方。


深くブランドを愛していて、しかも語りたがり。
では、どうしたら、そういった人を育てられるのでしょうか。
僕がいろいろなブランドを見てきて思うのは、
徹底的に「近場」から考えるべきだということ。
近場とは「今、目の前にいるユーザー」であり「社員」です。


エンゲージメント論やクチコミ論のベースには、近年、
脳科学や心理学で語られる「行動が感情をつくる」という思想がある。







engineer_takafumi at 01:12│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ クリエイティブ

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