2016年09月18日

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

本日は森岡 毅氏の
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方
です。
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方  成功を引き寄せるマーケティング入門

本書は私の周りで非常に評価が高い本でしたので、
かなり期待して購入しました。


本書の著者の森岡氏は窮地にあったUSJを、
V字回復させた敏腕マーケターです。

その著者が、なるべく広範囲の人にマーケティングを
知って欲しいと書いたのが本書です。


マーケティングの本自体は、数多く存在しますが、
大学の教授による教科書のような理論に偏った本と、
著名経営者の「経験と勘」に集約される実践的な本の
2極端に分かれているような気がします。

つまり、教科書で習うような知識が、実践の場でも生きるのだ
と感じられる本がとても少なかったということです。


本を読む限り、著者は元々は経営学部で数学を使った
理論を勉強していたように、理論的な人間だったと思われます。

それが、前職のP&Gでのブランドマネージャー経験やUSJでの
経験を経て、理論に加え、現場の経験も豊富に積んだ
「鬼に金棒」のマーケターにレベルアップしたのです。

ですから、理論に偏った人に対しては、現場の扱い方を、
現場に偏った人には、理論の可能性を教えてくれる
一冊になっていると思います。

また、わかりやすく書かれていますので、
学生や新入社員レベルの人にも理解できます。


マーケティングは顧客を知ることです。
ですので、私のような技術の研究開発職の人間を含め、
全てのビジネスパーソンに一読の価値がある一冊です。



会社からマーケティングに期待される第一の仕事は、
トップライン(売上金額)を大きく伸ばすことです。


不祥事が起こったから集客が減ったのではないことは明らかでした。
むしろ逆だったのです。集客が減ったから不祥事が起こったのです。


引っかかったのは、TDRとUSJの物理的距離です。
500キロ離れているのに、その終末に
ディズニーかUSJの2択で迷う人はいないだろう。
(中略)
2つはそれぞれ別商圏であって激しく競合などしていないのに、
ディズニーと差別化するために
「映画だけ」にこだわるのは愚の骨頂。


「映画ファンだけのパーク」という作り手の無意味なこだわりのせいで、
ただでさえ関東の3分の1しかない関西市場をさらに小さく使い、
自らの首を絞めている。


日本のテーマパークの品質は世界一で一番高いにもかかわらず、
土地代・建設費・人件費などのコストが世界で一番高いにもかかわらず、
入場料だけが世界で一番安いのはあまりにもおかしい。


なぜ日本だけこんなにテーマパークが安いのかと言えば、
業界のガリバーである東京ディズニーリゾート(TDR)が
長年安くやっていたからです。


マーケターの仕事は、会社のお金の使い道や
従業員達のあらゆる努力を、消費者にとって意味のある価値に
繋がるようにシフトさせることです。


ある人はカレーライスが良いと言う。
別の人はすき焼きが良いと言う。
そんなときに多くの会社では、誰かが頑張らないと「カレーすき焼き」を
作って消費者に提供してしまうことになります。


たいていは営業支援の仕事か、あるいは営業と生産の計画(S&OP)を
調整している程度で、会社単位の意思決定をドライブできている
本来のマーケティング部を見ることはほとんどありません。


広告の唯一無二の目的は、
その企業のブランド価値を向上させて売上を伸ばすこと。


USJでは、TVCMは放映する前に消費者調査でその効果を測定し、
オンエアするかどうかを判断しています。
またオンエア後の実際のビジネスの結果と、
オンエア前のテストデータの相関関係を分析し、
調査モデルそのものの精度に日々磨きをかけています。


マーケティングの概念も用語も、ほとんど英語表記しかありません。
横文字はとっつきにくいと思う人もいるでしょうが、
あきらめてください。
米国が発展させてきた学問に乗っからせて頂いている我々は、
残念ながら我慢して横文字を覚えるしかありません。


消費財業界やサービス業に代表される、「ローテク業界」では
マーケティング技術がものすごく発達するのです。


消費者の頭の中のブランドへのイメージを、
「資産」という言葉で表現するなんて、
さすが米国のマーケティング先駆者達はよくわかっていたのだなと、
私はあらためて尊敬します。


ブランド同士の配荷率をめぐる戦いは、流通業者(卸と小売)に対して
競合ブランドよりも自ブランドを扱うメリットをどう作るのか、
その「流通に選ばれる必然」が勝負になります。


かつて私のいたヘアケアなどでは、山積するのとしないのとでは、
値段を全く変えていなくても数倍もの売上の差が生まれました。


「うちはしょうもない製品しかない」という言葉は、
マーケターは決して口にしてはいけません。
なぜなら消費者視点で優れた商品やサービスをちゃんと
作らせることが、マーケティングの重大な使命の1つだからです。


戦略とは、何か達成したい目的を叶えるために、自分の持っている
様々な資源を、何に集中するのかを選ぶこと


経営資源は認識することによって増やすこともできるのです。


戦略が強いと正しい方向へ進む、戦術が強いと遠くまで飛べる


優れた成果を出す人と、まあまあの人と、冴えない人の
「上・中・下」に無理やりマーケターを分類するとします。
私の経験上、中と下を分けているのは「自社ブランドやカテゴリーの
文脈の中で消費者心理をちゃんと理解できているかどうか」です。
上と中を分けているのは、「ビジネスの文脈を超えて、
消費者心理を人として包括的に理解できているかどうか」です。


買う確率や購買力は均等に分布しているのではなく、
どこかに大きく偏っているものなのです。


パークにおけるクリスマスの内容、
つまりプロダクト(製品)は前年までと全く変わっていません。
変わったのは消費者インサイトを衝いたコミュニケーションだけです。
それだけでクリスマスシーズンの集客効果は前年に対して倍増しました。


消費者が欲しいのはアトラクションではないのです。
消費者が欲しているものは、そのアトラクションを体験したときに
巻き起こる「感情」です。


「どう戦うかの前に、どこで戦うかを正しく見極めること」。
それが会社を勝たせる軍師であるマーケターの
最初にして最重要な仕事である


戦略的思考の素質がある人は、ほとんどの場合において
子供の時から要領が良い人です。
努力の割には良い成果を出す人と言ってもよいでしょうか。


人が変われない最大の理由を知っていますか?
それは「変われない自分にがっかりしてしまうこと」です。






engineer_takafumi at 12:56│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ マーケティング・営業

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字