2016年07月30日

パパラギ

本日はエーリッヒ・ショイルマン氏の
パパラギ
です。
パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (SB文庫)

本書は知人に勧められて、興味を持って購入しました。


「パパラギ」とは不思議な響きのする言葉です。
これは南太平洋の島国であるサモアの言葉で
白人を意味します。

この本の内容は、サモアの原住民であるツイアビという人が
ヨーロッパで見聞きして感じたことを、その友人のドイツ人が
まとめたという内容です。


なぜ、人は服を着るのか?
本当に教養が深いことが良いことなのか?
時間は大切に使わなければいけないのか?
など、現代社会ではあたりまえすぎる
基本的な事柄について、鋭く分析します。

気づきが多くあり、本当に幸せに生きるとは
どういうことかと考えさせられます。


ただ、内容があまりに批判に傾きすぎていることなど、
引っかかるところもあると感じます。
少し調べてみると、この本はフィクションで
実は、サモア人から聞いた話ではない、という説もあるようです。

本当のところは確認できませんが、
実際にサモア人から聞いたことをまとめていたとしても、
編者の考えも相当取り入れられていることは間違いなさそうです。

しかし、そうだとしても書いてあることが色あせるわけではありません。
現代社会の暗部を、素朴な文章であぶりだす良書だと思います。
今まで、読み継がれてきただけの意味はあるのです。


お金や時間に追われ、心が折れそうな時に読みたい一冊です。
異なる考え方に触れ、エネルギーを取り戻しましょう。




パパラギのからだは、頭から足の先まで腰布や、
腰みのや皮でしっかりと包まれている。


私たちは喜ぼう、私たちの肉が太陽とともに語ることができ、
腰布にもしばられず、足皮にもわずらわされない私たちの足が、
野の馬のように駆けられることを。
そして、頭のおおいが落ちないよう、はらはらしなくてもよいことを。
そして、喜ぼう、日の光、月の光の中におもうさま
手足を見せてくれる、若く美しい娘たちのことを。
ところが、恥をかかずにいようとして、
すっかり自分を隠している、愚かで、目は見えず、
本当の喜びを知らない白人たち。


この人たちは田舎者と呼ばれる。
町の人間より食べ物もたくさん持っているはずなのに、
ざらざらの手をし、汚れた腰布をつけている。
彼らの暮らしは、割れ目の人間よりもずっと健康で美しい。
ところが、彼らにはそのことが自分で信じられず、
彼らがなまけものと呼んでいる、大地に触れることもなく、
果実を植えて収穫することもない町の人間たちのことを
うらやましがっている。


おまえは誕生のときにさえお金を払わねばならず、
おまえが死ぬときも、ただ死んだというだけで、
おまえのアイガ(家族)はお金を払わねばならぬ。
からだを大地に埋めるにも、思い出のために
お前の墓の上にころがす大きな石にも、お金がかかる。


私たちは、パパラギの小さな丸い時間機械を打ちこわし、
彼らに教えてやらねばならない、日の出から日の入りまで、
ひとりの人間には使いきれないほどたくさんの時間があることを。


パパラギが、神の言いつけを聞かず、自分たちの掟を作ったので、
神はパパラギの財産にたくさんの敵を送られた。
(中略)
なかでも重く神が定めたもうたのは、パパラギの心の中に
恐怖を植えつけたことである。
取ってきたものをなくしはしまいか、という不安。
パパラギは決して深く眠ったことがない。
昼間に集めてきたものを夜のあいだに持っていかれないよう、
覚めていなければならないから。


神は、恐怖よりもっとずっと悪い罰をパパラギに与えた。
神はパパラギに、「おれのもの」をほんの少しか、
あるいは全く持っていない人と、
たくさん持っている人とのあいだにたたかいを与えた。
このたたかいは、はげしくつらく、夜も昼もない。
このたたかいは万人を苦しめる。万人の生きる喜びを噛みくだく。


私にはおまえたちの目に怒り、
唇には軽蔑の色が浮かぶのが見える。
そうなのだ、これがいつでもパパラギのすることなのだ。
たとえ百枚のむしろを持っていても、
持たないものに一枚もやろうとはしない。
それどころか、その人がむしろをもっていない、と言って非難したり、
むしろがないのを、持たない人のせいにしたりする。


狡猾なパパラギは、こう言って私たちまでだまそうとする。
「神さまのものなんて何もない。おまえが手でつかんだものは、
おまえのものだ」 ―そのような愚かな言葉に耳を貸すまい。
正しい知恵に耳を傾けよう。すべては神のものだ。


新聞もまた一種の機械である。毎日たくさんの考えを作り出す。
ひとつひとつの頭が考え出すより、はるかにたくさんの考えを。
しかし、たいていの考えは誇りも力もなく、弱い。






engineer_takafumi at 01:09│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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