2016年08月08日

「君主論」55の教え

本日は渡部 昇一 氏の
「君主論」55の教え
です。
「君主論」55の教え (知的生きかた文庫)

本書は古典の名著とは言われていますが、なかなか読解が難しい
「君主論」の解説書として興味を持って購入しました。


私も君主論を読んだことはあるのですが、
当時の歴史や文化についてかなりの知識を要求されるので、
正直、消化不良というのが現状でした。

本書では過度に簡略化することなく君主論を編集し、
要点がわかりやすく示されているので、
エッセンスが頭に入ってきやすくなっています。


「皆殺し」を説くなど、かなりどぎついことも書いていますが、
リーダーは狡猾さも持つ必要があるのです。

そうしないと、部下を守ることもできません。
現代にも通じる普遍的な教えがここにあります。


君主論を読んでみたけれど、挫折した、
という方にお薦めの一冊です。
本書により、戦略やリーダー論としての「君主論」を
手早く学ぶことができるでしょう。




君主が市民から受ける感情は、四種類あると説いている。
愛、憎しみ、恐れ、軽蔑だ。
このうち君主が避けなければいけないのは、
「憎しみ」と「軽蔑」である。


君主の場合、人をを殺したからといって憎まれるとは限らない。
謀反人や気にくわない部下を殺したからといって、
極端な話、たいしたことではないと言う。
君主国が支配する街を奪取したときは、
その君主国の関係者をみな殺しにしたっていい、
そこまで言っている。


市民というものは、わずかな傷を負っただけなら復讐してくるが、
致命的な重症を負ってしまえば、
復讐する力をほとんど失ってしまうものだ。


あなたが新しい領土を手に入れて、
その地をマネジメントすることになったとしたら、
次の二つの鉄則を思い出してほしい。
1、旧リーダーの家系を、完全に根絶してしまうこと
2、その土地の法律や税制は変えないこと


聡明なリーダーたる者は、ケチであるという評判を気にしてはならない。
節約することによって国の歳入が増加するわけだし、
その資金で外敵からの攻撃にそなえることもできる。
また、市民に重税を課す必要もなくなり、そのぶん政治がスムーズに運ぶ。


歴史的に、ケチと言われるリーダーたちは、
偉大なリーダーシップを発揮した人物として語り継がれている。


その人がすでにリーダーになっているのか、
それともこれから新しいリーダーになろうとしているのかを
明確に区別しなければならない。
前者の場合には、気前がいいことはデメリットでしかなく、
後者の場合には、気前がいいという評判は絶対に不可欠である。


人間は、「恐れている者」を傷つけるということにはためらいを持つが、
「愛している者」を傷つけるということには、ほとんどためらいを持たない。


「恐れられることと、憎まれないこと」の両立は、
「恐れられることと、愛されること」の両立と比べて、ずっと容易だ。


人間というものは、父親が亡くなったことよりも、
むしろ自分の財産を失ったことのほうを長期間にわたって
忘れずに覚えているもの


人間とは、恐怖から、他人に危害を加えるものだ


加害行為というものは、その行為によって
人々がほとんど傷つかないように、「一気」に行う必要があるのである。
これに対して恩恵は、人々がより深く味わえるように、
「少しずつ」与えるべきなのである。


人間というものは、危害を受けると思っていた人物から
反対に恩恵を受けると、その人物に対して
通常以上の恩を感じることがある


傭兵軍と援軍は無益であって、むしろ危険な存在である。


自力にもとづかない権力や名声ほど、
信頼がおけず、不安定なものはない


リーダーたる者、フィロポインメンのように、
どんなときでも軍事戦略を頭に置くことだ。
有事のときよりも、むしろ、平時における
この習慣こそが重要なのである。


リーダーは、市民の好意によって支えられている状況においては、
造反をさほど気にする必要はない


リーダーは、他者から非難されるような役割は、
できる限りよそに押しつけ、逆に他者に恩恵を与えるような役割は、
極力自ら行っていくべきだということである。


執念深い人間が考え抜いた末に実行する暗殺からは、
リーダーは決して逃れることはできないということである。
なぜなら自分の死を恐れない者は、
他者の死に対しても恐れを持たず、それゆえ他者に対して、
リーダーは決して逃れることはできないということである。


リーダーというものは、「味方」と「敵」をはっきりと区別し、
それを公言するようにすると、
市民や部下たちからの尊敬を得ることができる。


全員が一致するような決議をへて、
万全の準備ができてからローマへ向かおうかなどと考えていたならば、
決して成功することはなかっただろう。


運命は変化する。人間が自らの行動様式に執着するとき、
その人の行動様式と運命とが合致していれば、その人は成功する。
しかし合致しない場合は、失敗する。


運命の女神は、冷静に行動する人間よりも、
熱く勇敢に大胆に行動する人間に惹かれるのである。







engineer_takafumi at 23:14│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ 自己啓発

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