2016年11月25日

株式会社の終焉

本日は水野 和夫氏の
株式会社の終焉
です。
株式会社の終焉

本書は株式会社の終焉というタイトルに
興味を持って購入しました。


イギリスの国民投票によるEU離脱、
大半の予想を覆してのトランプ氏の大統領選挙当選など、
今のシステムが限界に近くなっていると思われる
出来事が世界で起こっています。

一番の問題は、あまりに広がった経済格差です。
そして、格差の問題の根本には、
常に成長を求める資本主義、株式会社があるのでしょう。

こんな問題意識を持っていたので、
このタイトルが響いたのです。


本書は内容的に高度で読み解くには、
歴史や経済の高い知識が必要でしょう。
私にはわからない部分も多かったのですが、
結論である「よりゆっくり」、「より近く」、「より寛容に」は
とても腑に落ちました。

どのくらい時間がかかるか、
過渡期にはどのようなことが起こるのか、
はわかりませんが、世の中の流れは
確実にこちらに進んでいると考えて良さそうです。

これからの時代を生きる我々としては、
そのトレンドは外さない生き方をしなくてはいけません。

ただ、それは怖いもの、恐れるものではなくて、
人間にとっては進歩で、より幸せに生きることができる
世の中が作られるトレンドなのだな、と思います。


これから起業を考えている人にお勧めの一冊です。
逆らってはいけない、時代の流れを学べるでしょう。




この20年間で実質賃金は14.2%減少したのですが、
そのうちの6割は、正規から非正規雇用への
シフトによるものだと推察できます。


日本の対外純資産は2016年3月末時点で
355.3兆円と世界ダントツです。
2016年3月の円ドルレートは113.07円なので、
ドル換算すると3.1兆ドルとなって、
世界2位のドイツ(1.62兆ドル、2015年末)、
第3位の中国(1.60兆ドル、2015年末)のほぼ2倍です。


中国を中心に世界的に供給力が過剰な状況下で、
小売業者は世界中から輸入すればいいわけですから、
日本のなかでモノ不足は起きないのを知っているからです。


長期自然利子率はある条件のもとで「潜在成長率」と等しくなる


コンビニ業界では、もはや新規出店は
既存店の売り上げを減らすようになってきています。


日銀の資本金はごくわずかですが、資産サイドからみると、
日本国債を386兆円保有しています(2016年7月現在)。
日本の経済規模の77%に相当します。


株式会社の生い立ちをみていくと、
国債と株式会社が密接に結びついていることがわかります。
株式会社は、近代国家の初期においては戦争遂行のため、
鉄道と運河の時代になって国民生活の向上のため、
そして21世紀になると、資本それ自体のためと、
その目的は時代の要請によって変わってきました。


政権の良し悪しは株価だけではなく、
国債利回りで評価することです。
ゼロ金利が目標で、マイナスでもプラスでもいけません。
なぜなら、マイナスの金利は将来の不良債権を生むし、
プラス金利はリスクプレミアムが発生したサインだからです。


トヨタのAA型は事実上、元本保証がある点で、
限りなく債券に近い性格を有しています。
現在の株式会社前の形態に戻り、
債券と株式の教会を曖昧にする―
近代の最も重要な産業で、しかも世界最大の自動車会社である
トヨタが新型株を発行するというのは、
いわば中世への回帰現象を示す、
まさに時代を画する動きといえます。


技術進歩が成長に寄与しなくなったのは、
売上増以上に研究開発費などのコストが
かかるようになってきたからです。


21世紀のシステムは、過去の延長線上ではなく、
潜在成長率がゼロであるということを前提に
構築していくことが必要です。


わたしは21世紀の原理は、「よりゆっくり」、「より近く」、
「より寛容に」であると考えていますが、
このように、「よりゆっくり」を企業に当てはめれば、
減益計画を立てることであり、
「より近く」は現金配当をやめることです。


すでに過剰な資本が存在するのですから、
地球の裏側から株主を募る必要はありません。
売上先がが地域であれば、株主も地域住民でいいはずです。


現金配当をやめて、配当は現物給付にする。
そうすると、地球の裏側の株主は自動的に離れていきます。


空間が「無限」になることによって
株式会社が誕生したわけですから、
それが「閉じ」れば、株式会社も閉じるのが自然の成り行きです。
「より寛容に」は、過剰な内部留保金を国庫に戻すということです。


資本主義よ 強欲を捨てられたら 
ゆっくりできるのに 寛容になれるのに


株式会社よ 現金配当をやめたら、お前は休めるのに







engineer_takafumi at 23:39│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ 経済・会計・お金

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