2014年09月11日

数学の視点

本日は上野 健爾氏の
数学の視点
です。
数学の視点 (math stories)

本書は東京図書のMath Storiesシリーズを
全部読んでみたいと思い購入しました。

Math Storiesは数学の深いところを、
高校生程度の数学で記述する、
というコンセプトのシリーズで
本書のテーマは「数学の視点」です。


本書は方程式を中心として、
連立方程式、行列、座標、ベクトルなどから
最終的にはガロア理論まで説明しています。

数学の本はとても読みにくいものなのですが、
本書は教科書などよりも、日本語の解説が多く、
多少は具体化もしてくれているので、
読みやすくできています。
(それでも僕にはやや厳しいですが…)


本書を読んで、良かったことは、
5次以上の次数の方程式では解の公式をもたない、
ということの意味がわかったことです。

今までは、解けないのかと思っていましたが、
複素数の範囲内で解は存在するけれども、
代数的には解けないということがわかりました。

証明については正直中身は理解できていませんが、
方程式を解くとはどのようなことか?と、
ものごとを抽象化し、そのような結論が導けたのです。

数学はものごとを抽象化しすぎるので苦手ですが、
その抽象化にはこのようなパワーがあるものだと
認識させられた一冊でした。


3、4次方程式の解の公式に興味がある方にお勧めです。
高次方程式の解がどのように導かれるか、
また5次以上の次数で解の公式が存在しないのはなぜなのか、
数学の本としては、易しく説明されていると思われます。




角の三等分問題を解決するためには、
三角函数が必要があり、三角函数の性質を調べるためには
座標の考え方がきわめて有用である。


(sinθ)2と書かずにsin2θと書くのは
単にこちらのほうが美しく見えるという以上の意味はない


数学の記号はさまざまな歴史的な経緯によって
決まっているので、首尾一貫していないことが起こる


角度を定義するときに、そもそも円を基準にしたのだから、
三角比、三角函数も円を使って定義するほうが自然であり、
また三角函数ではなく、円函数と呼ぶほうが数学的には自然である。


「不可能である」ことを証明できることは、
数学の不思議なところである。


代数方程式は複素数まで考えれば、
必ず解を持つことが知られている。


もし方程式が代数的に解くことができたら、方程式の根は
どのような性質を持つ数でなければならないか


5次方程式は、楕円モジュラー函数を使えば
解の公式を求めることができる。
より一般には、テータ函数を使えば根の公式を
求めることができる


方程式を解くことが、視点をさまざまに変えることによって
その意味が少しずつ深くなり、一見無関係の数学に
実は深いつながりがあることが明らかになった。
このように数学で重要なことは、
1つの視点に固執するのではなく、さまざまな視点から
1つの対象を見ていくことである。
そのことによって数学の理解が深まっていき、
数学が発展していくのである。








engineer_takafumi at 15:08│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 |  ⇒ 数学

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