2016年12月25日

カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ! ?

本日は高城 剛氏の
カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ! ?
です。
カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ! ?

本書は著者の関係者の方よりご献本頂きました。
上田さま、ありがとうございました。


帯にも書かれていますが、
カジノとIRの違いは分かるでしょうか?

私はこの本を読むまでは、知りませんでした。

そもそもIRはIntegrated Resortの略で、
国際会議場・展示施設にあらゆる商業施設
(ショッピング、ホテル、レストラン、スポーツ施設…)
を埋め込んだ、自治体公認の施設です。

そして、このIRのカギとなるのがカジノなのです。
なぜ、カジノが重要かというと、話は単純で、
カジノが「儲かる」からです。

本書の主張は下記のように要約できます。
IRの真髄は、
税金を使わずに街のランドマークを作ることだ。
あくまでもカジノは巨額投資をしてもらう
企業への担保に過ぎない。
そして、そのカジノの顧客は、成熟した都市であるならば、
自国民であってはならない。


そのために、日本に世界に通用する
IRを作りましょうということですね。


本の内容は、カジノにまつわる各国の事情が
メインとなっていますが、これが面白いです。

例えば、カジノを作ったときに自国民の利用をどう扱うか
といった対応が各国異なっていて興味深いです。
カジノに対する対応は、
国民性がそのまま出ているような気がします。

また、カジノがマネーロンダリングの道具として
使われていることもあるようで、
そのあたりの情報も、とても興味深かったです。


世界を裏側から見てみたい、と思う人に
お勧めの一冊です。
普通の本と違う、興味深い視点を
見つけることができるでしょう。






お台場カジノ構想はそのまま順調に進むように見えた。
しかし、カジノが台頭すればギャンブル市場の
シェアを脅かすとして、パチンコ業界は猛反発する。
パチンコ業界を抱える警察はカジノに難色を示し、
利権の絡む多くの国会議員もまた及び腰となり、
最終的に計画は立ち消えになってしまう。


カジノで得た儲けは香港ドルで支払われ、
そのまま香港の銀行に送金し、
隠し財産にすることが可能だ。
個人資産を保護する法整備が整っていない中国においては、
これは格好の金融システムといえるだろう。


これまで幾度となくシンガポールを訪れているが、
僕が出会った限りでは、官僚の誰もが、
「カジノに一度も足を踏み入れたことがない」と言う。
この国において、今をもってギャンブルは「背徳」であり、
公的にもそう発言されている。


VIPエリアにいる海外からやって来た
ハイローラーに話しかけてみたところ、
「もし日本にカジノができても、すぐに行くことはない」
と皆が口を揃えて答える。
その理由は何かと言えば、「顔を見られたくない」からで、
当初は様子見するという。


カジノ施設の監視カメラやセキュリティ担当者による周囲の監視、
警察による地域のパトロールによって、
街の中で起きる犯罪まで、大幅に減ったのだ。


このあたりの"自国民は徹底的に保護し、海外からのゲストには
徹底的に遊んでもらう"という線引き姿勢は見事である。


中国がすさまじい経済発展を遂げる中、膨れ上がっていく
「チャイナ・マネー」が流れ込んだ場所は一体どこか。
そう、マカオのカジノだ。
そしてこれこそが、外国資本への市場開放からわずか4年で
マカオが世界トップのカジノ大国となった背景であり、
やがて陰りを見せる原因ともなるのである。


胴元にそれなりの手数料を支払えば、
汚れた人民元を「カジノで勝った香港ドル」に
変身させることができる


賭けるのは簡単で、語弊はあるが、
勝つこともそこまで難しくはない。
だが、やめることは何よりも難しい。


僕はこれまで、世界中のいろいろな人たちの
カジノの賭けぶりを見てきたが、
大きく勝ったと喜んでいる人は、
逆に大きく負けるのは間違いない。


中国本土で吹き荒れる汚職官僚粛清の嵐は、当然のごとく、
マネーロンダリング天国・マカオにも影響を及ぼした。
(中略)
売り上げの大半を中国本土からやってくるハイローラーに
頼っていたカジノの賭博業収入は、
2015年1〜4月には前年比実績の約4割減まで落ち込んでいく。


わずか半年の間に3割減となるほど、
マカオのカジノ市場は衰退しているのだ。


シンガポールがギャンブル依存症から自国民を守ろうと
さまざまな対策をしているのとは反対に、
フィリピンは自国民をターゲットにしているのだ。


観光客ひとり当たりの旅先で使うお金が、
フランスは少なくアメリカは多いということだ。


フランスがIR施設建設に乗り出すことは、
現状を見る限りではほぼないように見える。
なぜなら、それを受け入れる素地が、
歴史と伝統においても、国民性においても
一切ないからだ。


実はバルセロナにはチェーンのコーヒー店もなく、
スペイン全土でもデパートは1社しかない
(中略)
スターバックスにさえ反発する人々が、
米国型IRを受け入れるとは思えない。


ユーロ圏においては、フランスを含め、
IRを本格導入できる都市はほとんどない、
と言ってもよいだろう。
やろうと思ってもできない。これが現実だ。


現在、ラスベガスのホテルの宿泊価格は、
大型コンベンション開催日と何もない日では、
3倍から10倍以上の開きがある。


日本にはもてなしの文化があり、
街中のファストフード店ですらホスピタリティも
サービスレベルも高いが、
いかんせん海外ゲストに対応できるだけの英語力すらない上に、
そこまで先方は「おもてなし」を望んでいないことも多い。


マカオのカジノで雇用するのは、
マカオ人のみという決まりがある。
2008年の時点でディーラーの平均給与は公務員の1.5倍。


パチンコやスロットなどが身近で、
日本は世界の中で病的賭博の割合が最も高い国のひとつ


2025年には、日本の人口は700万人減少すると予測されている。
この700万人という数字は、四国の人口の1.5倍に相当し、
内需を期待することはもう一切できない。


日本はスクラップ&ビルドの国であり、
数十年周期で古い建物が壊され、新しいものへと
立て直されることが当たり前となっている。


IRの真髄は、税金を使わずに街のランドマークを作ることだ。
あくまでもカジノは巨額投資をしてもらう
企業への担保に過ぎない。
そして、そのカジノの顧客は、成熟した都市であるならば、
自国民であってはならない。







engineer_takafumi at 21:47│Comments(0)TrackBack(0)★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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