2017年01月21日

はじめてのサイエンス

本日は池上 彰氏の
はじめてのサイエンス
です。
はじめてのサイエンス (NHK出版新書)

本書は池上さんがサイエンスをどのように書くか、
興味を持って購入しました。


池上さんの解説は非常にわかりやすいもので、
この本でもサイエンスについて、
その解説力が大いに発揮されています。

サイエンスといっても、ただ理系的な知識を語るだけでなく、
物理であれば原子力の問題、化学であれば環境問題と、
社会的な問題に結びつけるように配慮されています。

ですので、ニュースで時事問題を見る時などに、
すぐにこの本で得た知識が生きることでしょう。

また、科学者や技術者なども親交が深いようで、
比喩などは、専門家のチェックを経ているとのことです。
だから、変な理解になることもないでしょう。


池上さん本人は文系の方ということで、
このレベルで科学を理解されるためには、
相当の努力があったと思います。

それを乗り越えて、これだけ分かりやすく
表現されるのですから、
本当に伝えるプロなのだな、と再確認させられました。


個人的には、
遺伝子組み換え作物の解説の部分が印象的でした。
安全と危険、どちらに偏ることもなく、
メリットとリスクが的確に表現されていると思いました。


サイエンスについてちょっと知ってみたいな、
と思った文系の方にお勧めの一冊です。
読みやすい中で、本物の知識を得られるでしょう。




科学の法則や理論はそのような絶対的な真理ではないのです。


仮説と検証を繰り返して、
真理に少しでも近づこうとすることが科学という営みなのです。


私たちがよくやりがちな失敗があります。
それは、相関関係と因果関係を取り違えてしまうということ。


イランにおいては、シーア派の学問を学ぶことが
最も優れたこととされており、彼らはシーア派の神学を深く学び、
実に精緻な議論を組み立てていくのです。
(中略)
イランでは優秀な才能が科学に向かわず、
神学に吸収されているわけです。


ヒッグス粒子のように、その正体がよくわからないけれど、
何かあるに違いないという予測は、
科学の営みではよく見かけるものです。


劣化ウランというのは「品質が悪い」ということではなく、
使えるウラン235を取り出した残りの、
"役に立たないウラン"という意味です。
このウラン238は、最初は単なる「廃棄物」でしたが、
米軍は、この劣化ウランの質量に注目しました。
比重が大変に大きいので、砲弾に使うことにしたのです。


単細胞生物がいつどのように多細胞生物に変わったのかは、
いまだによくわかっていません。


クマムシを人工衛星に乗せて、
宇宙空間にさらす実験が行われたことがあります。
すると、クマムシは岩石の結晶のような
状態になって生き延びました。
そして地球に戻ってきた後は、元どおりの姿になって、
ふつうに生き続けました。


遺伝子組み換えであろうがなかろうが、
みんなタンパク質なのだから、体のなかに入ったら、
すべてアミノ酸に分解される。
そして体内でもう一度、タンパク質に再構成されるから
危険なわけがない。


遺伝子組み換えのタンパク質を食べて、
すぐに胃や腸で消化してアミノ酸に分解すれば
何の問題もありませんが、
それが十分に分解されないまま血液のなかに入ると、
アレルギー反応を起こす人がいるかもしれない。


ウイルスは、遺伝子がタンパク質で包まれているだけで
細胞膜を持っていないし、自分で分裂することもできません。
ウイルスはほかの生き物の細胞に取りついて、
その栄養を取ってはじめて自分の分身を増やすことができる。
ウイルスは、必ず宿主を持っているのです。


結局、第一次世界大戦が終わった真の理由は、
敵味方、みんなスペイン風邪にかかってバタバタと倒れてしまい、
戦争を続けることができなくなってしまったからです。


ES細胞は受精卵ですから、やがて生命になるものです。
それを取り出して移植に使うことは、
受精卵から生命の誕生に至るプロセスを
破壊してしまうことになります。


小保方さんのSTAP細胞は、サイエンスの大事な条件である
「再現性」を満たさなかった


「何かが存在しないことを証明すること」を、
一般に「悪魔の証明」と表現します。


これまでの長い歴史のなかで、
人間をいちばん多く殺した動物は何でしょうか。
答えは蚊です。


中国共産党は今なお、
大躍進政策の失敗をひた隠しにしています。






engineer_takafumi at 22:11│Comments(0)TrackBack(0)★理系本の書評 | ⇒ 一般・その他の科学

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