2017年02月26日

7日で作る 事業計画書

本日は赤羽雄二氏の
7日で作る 事業計画書
です。
7日で作る 事業計画書 CD-ROM付 (アスカビジネス)

本書は著者のセミナーの課題図書として読みました。

本書はマッキンゼーにてLGの世界的躍進を支えた後
ブレークスルーパートナー社にて、
大企業の経営改革、人材育成、新事業創出などに
取り組んでおられる著者の起業本です。

いわゆるリーンスタートアップ、すなわち、
仮説を立て、MVP(Minimum Viable Product)を作り、
仮説と検証を超高速で回していく、
という立上げ方法を行う上で、
最初のキーとなる事業計画書を7日で作ろう
というコンセプトです。

7日間というと、短すぎると思うでしょう。
しかし、熱があるうちにさっと書き上げ、
実証のプロセスに移ることが一番大事なのです。

ここで悩んでいると、数ヶ月などすぐです。
それよりも、完成度は低くても、
すぐ実証に移る方が時間の面で有利でしょう。

どれだけ綿密に計画を立てていても、
すぐに想定外の出来事が起こってしまうのです。

本書では、14年間新規事業の立上げをサポート
してきた著者が、第一版の事業計画書として、
押さえるべきポイントを解説してくれます。

まずはこれに沿って計画書を作成していけば、
自分の計画の見落としや弱点にすぐ気づくでしょう。

それから、弱点を潰していけば良いのです。


起業や新規事業の立上げを考えている人には
必読の一冊です。
立上げのスピードを大幅に高めることができるでしょう。




想いが強ければ、経験のなさは何とかカバーできる。
こういうサービスを絶対作りたいとか、
困っている人を助けるサービスを早く作りたいとか
想いさえあればいろいろ工夫するので何とか道は開ける。


本当にやってみたければ、気持ちの強いうちに
一気に事業計画としてまとめてみてほしい。
その目安が7日だ。


「技術が素晴らしい、アイデアが素晴らしい」
ということと事業の成功とは必ずしも直結しない。


数値計画はどうにでも作れるので、
それをいかに細かく作ってもあまり意味はない。


数字合わせをするあまりに、
事業そのものをどうやって立ち上げるのか、
どこからどう始めるのか、どうやって体制を作るかなどの
本質的な議論がほとんどない


「社会的意義もある素晴らしい事業なのに
共同創業者が見つからない」ということで
悩んでいる真面目な人もよくいるが、本当のところは、
周りの人がだらしないのではなく、
本人のコミットメントが低かったり、
何としても事業を成功させるという迫力のなさが
災いしていることが多い。


仮説構築とは、こうではないだろうか、
と考えをまとめることだ。
誰のどういう課題をどうやって解決しようとするのか、
具体的に考えていく。


仮説に対して柔軟な姿勢を持ち続けること、
考え続けること、検証し修正し再確認し続けること


今回の「7日間で作る事業計画」はその第一版だ。
一度作ることで、思考が飛躍的に進む。


フレームワークが特に威力を発揮するのは、
何人かで議論している時だ。縦軸、横軸をまず合意し、
その上で右上、左下、右下、左下に、
何が入るのかを話すと、
皆が同じ視点で物を見ることができるようになる。


フレームワークに慣れるためには、
「好きな食べ物」とか、「読みたい本」など、
ちょっとしたことをこの2×2で整理するといい。


有用記事を投稿してくれる「Facebook友達」が
ある程度以上いないと、
キュレーションツールとしては機能しない。


よいブログ記事に出会った時、
私はその著者の過去記事をほぼ全部読むようにしている。


アーリーアダプタと呼ぶが、それが誰か、
どうやってアプローチするか、
アーリーアダプタに火がつくと
次にはどこに火がついていきそうか
火つけの場所、順番、方法を説明する。


1、変革の気運が大きく盛り上がっており
2、実際に変化が起きており
3、今始めれば誰よりも早くその果実を刈り取れる
ことを具体的に伝えることだ。


選び方は何通りもあるが、
「事業成長上で最も重要な2軸」ということで吟味する。
例えば、以下のようなものが考えられる。
(1)「スマートフォンの普及率」と「ネットの接続スピード」
(2)「スマートフォン決済の普及率」と「オンライン決済の総額」
(3)「女性マネジメントの比率」と「クラウドソーシングの普及」
(4)「電気自動車の普及」と「脱原子力エネルギーの度合い」
(5)「電力民営化の進展」と「TV放送自由化の進展」


「2年以内に市場の過半を取る」とか、
「当社技術が非常に優れているので競合は全くいない」
といった表現をすると逆効果で、
リーダーとしての見識を疑われる。


リソースが限られる中、第一段階に達するには、
一点突破がどうしても必要になる。


創業社長・新事業プロジェクトリーダーに
必要な資質にはいろいろなことが言われている。
成功された方、失敗された方を多数見てきた経験から、
私はかなり単純な3つの基準で判断するようになった。
(中略)
熱意、向上心、柔軟性の3つである


従来製品・サービスとの差がはっきりさせる必要がある。


競合製品からのスイッチングコストが低くて普及しやすく、
しかもいったん導入すると、スイッチングコストが上がって
顧客・ユーザーが抜けにくくなるという
製品・サービスは非常に高く評価される。


もし伝わりにくい場合、相手の頭が悪いとか、不勉強とか
決してそういうことではない。
ほぼこちらの問題であることの方が多い。
唯一、この分野に詳しい人だと、
知りすぎていて細部にとらわれたり、
また自分の存在意義が脅かされるので、
目をつむりたい、理解しようとしないということもなくはない。


市場規模と成長性は、可能な範囲で仮定を置き、
おおよその目安として算定する。
これ以上、精密な推定は現実的ではなく、
検討しているビジネスがどの程度の市場を対象にしており、
ニーズの掘り起こしに成功すれば
どういった振れ幅で伸び得るのかの肌感覚があれば、
実際のところは十分である。


望ましいのは、
「既存勢力や競合他社が追従したり対抗しようとしても、
彼らの現在の利益を損なうことになり、身動きがとれない」


利益を上げる仕組み、すなわちビジネスモデルには
多様なオプションがある。
(1)製品・サービスを販売して、それに対する対価をいただく
(2)製品をリース会社に販売して、リース会社からリースする
(3)製品を無料かかなり安価に配布して、月額使用料をいただく
(4)製品を無料かかなり安価に配布して、月額のメンテナンス料をいただく
(5)製品・機材を無料かかなり安価に配布して、消耗品を販売する
(6)製品を無料かかなり安価に配布して、広告収入を得る
(7)製品を無料かかなり安価に配布して、利用状況等の情報を外部に販売する
(8)サービスを無料で提供して、一定以上の利用量に応じて課金する
(9)サービスを無料で提供して、プレミアムサービスの会費を取る
(10)サービスを無料で提供して、サービス内で使うコイン等をアイテム課金する
(11)サービスを無料で提供して、関連するツールを販売する
(12)サービスを無料で提供して、広告収入を得る
(13)サービスを無料で提供して、利用状況等の情報を外部に販売する
(14)大量のユーザーを囲い込んだプラットフォームへのアクセスを提供し、課金する
(15)プラットフォーム上でのユーザーの売買に対して一定額の手数料を取る


「仲間がいない。皆ふがいない」という人に限って、
人間的魅力がなかったり、落ち着きがなかったり、
リーダーとしてついていきたいとは
到底思えないだろうなという雰囲気の持ち主だ。


結果指標だけではなく、結果が出る前に
先行的に把握することのできる先行指標を
必ず加えておくことである。


ある指標に対して常に先行指標は何があるか、
取りえるか、遅行指標は何があるか取りえるかを
考え続けることが重要だと考えている。


本気でない事業計画、実行計画は、
部下にも投資家候補にも見破られる。
見守っている家族にもわかってしまう。
決してごまかしは効かない。


この事業計画を自分が書いたと思わない方がよい。
人、特に経験のない部下が書いたと思えば、
突然粗が目立つようになる。


ユーザー候補がどうしても見つからない場合は、
おてづだいネットワークス等の求人サイトを使って
時給いくらで募集する。


適切なインタビュー相手がどうしても見つからないとか、
あまりにも頼みづらいとなると、
そのB2Bビジネスを始めようとすること自体、
改めて吟味した方がよい。


テンプレートに記入する際には、あれこれ迷わず、
メモを書き写していく。
メモの内容を全部反映し終えたと思ってから、
改めて吟味し、表現を変えていく。
そうしないと時間ばかりたち、迷いながら
メモの1/3程度を数日かけて記入することになる。


事業計画をわずか7日で仕上げる意味は、
そのくらいのスピード感でいったん
第1版を感性させプレゼンしてみると、粗が見えてきて、
自分自身、改善のアイデアが無数に湧き、
どんどん改善できることにある。


実際に動くMVPを作ることが大変すぎる場合は、
パワーポイントによる紙芝居や、
簡単な動画を作って確認すればすむこともある。
Dropboxは、技術のアーリーアダプターをターゲットに
センスのよい動画を作成した。
話題になり、数十万人がアクセスし、
β版の予約が一気に7万5千人となった。


リーンスタートアップ改め、
「超高速仮説構築・検証・修正による商品開発」だ。


4人以上で共同創業すると、
メンバー間でやや友達感覚が強くなり、
その後入社する社員とのギャップが埋まりにくい上、
社長の持ち株比率を高くすることが難しい


いったん他社のために開発をし始めると、
いったんは経営が安定するのでそのまま安住しがちになる。
数え切れないほどの会社が創業の趣旨に反して
受託開発会社となり、二度と自社サービス、
自社アプリを出せなくなっている。


話は比較的弾んでいるのに
上司に合わせてくれない時は、要注意だ。
本人が上司に合わせる力がないか、
あくまで情報収集を目的として、
それ以上前に進める気がないのに会い続けているだけだ。


社長直轄にする方が望ましい最大の理由は、
新事業に対して社長がコミットしているほど
事業本部等でコミットしているかどうか
保証の限りではないからだ。







engineer_takafumi at 14:22│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ 経営

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