2017年07月09日

♯HOOKED

本日はパトリック・ファーガン 氏の
♯HOOKED
です。
♯HOOKED 消費者心理学者が解き明かす「つい、買ってしまった。」の裏にあるマーケティングの技術 (T's BUSINESS DESIGN)

本書は関係者の方よりご献本いただきました。
オトバンクの上田様、ありがとうございました。


この本は消費者の購買真理について
心理学者が解説したものです。

読んでみると思うのですが、
消費者は驚くほど何も考えていない
というのが正直な感想です。

でも、消費者になぜ買ったのか質問をすると、
何か論理的な回答が返ってきます。

とはいえ、それは単なる後付けで、
本当の購買メカニズムは別のところにあるのですね。

だから、消費者の言うことをまともに聞いていると、
違う方向に進んでしまうわけです。

本書では、科学的な実験を元にして、
消費者の本当の購買理由を明らかにします。

人はだれでも消費者の面を持っていますから、
これを読むと、「確かにそうだな」
と納得することでしょう。


訳書は読みにくい本も多いですが、
本書は日本語版用の注釈が吹き出しでついていたり
カラー版にしたり、読みやすい工夫がされていました。


個人的には、
広告に出てくる人の目線は、
売りたいコピーに向けておいた方が良い、
という部分が心に残りました。
出来上がりのポスターを見てみると、
確かに後者の方が売りたいコピーに
注意が集まります。


一般消費者向けの商売をしている人にお勧めの一冊です。
消費者がどのような判断をしているのか、
購買のメカニズムが見えてくることでしょう。




わたしが
「それで、アヒルが出てきて『アフラック!』と鳴くんだよ」
と説明すると、みんなポカンとするだけ。
だから説明するのをやめた。


人間は、何らかのパターンが生じていると感じると、
実際には単なる偶然であっても、
いつもそうなると信じ込んでしまう


人間の「判断」はそもそもが後追いであり、
態度と行動がそろわないのは、
態度が行動を決めているわけではないからなのだ。
行動したあとで自分の行動を解釈して、
意思表示しているのにすぎないのだという。


態度が行動を決めるのではなく、
行動が態度を決めるのだ。


人が意識的に示す態度は信用できるとは限らない。


実験によると、感情を強く動かす要素(覚醒度)が
重要な役割を果たすことがわかった。
興奮させたり、関心をぐっとつかむような動画であれば、
バイラルになりやすいのだ。


広告メッセージの受け手は、気が散ったり、疲れたり、
いそがしかったりする可能性が高い。
意識的思考を向ける余裕がないので、
メッセージに反応しているのは、
もっぱら原始的で衝動的な哺乳類脳というわけだ。


消費者には、メッセージをきちんと処理する時間もないし、
そんなエネルギーもない。
論理的な主張や情報よりも、思わず注意を引かれるものや、
自分の行動に対して潜在的な影響力をもつものに、
流されるのだ。


人間は、膨大な量の情報をほとんど処理せずにやりすごしている。
だが、脳が何かを重要だと認識したとたん、
意識的な思考をその刺激に向けて一気に集中させるのだ。


プリミティブなものは昔から、
技術進歩の大きな推進力となってきたのだ。
(中略)
こうしたタイプの刺激で、特に関心を引きやすい要素は3つ。
セックス、食べ物、そして顔だ。


視覚重視の男性は女性のヌードに対して注意・関心が向きやすい。
そして女性は、男性の財力を示すサインや、
贈り物をする意欲の有無に注目して、
セクシーな広告に関心を示すのである。


高カロリーの食べ物のほうが、
低カロリーの食べ物よりも注意・関心を引きやすい。


顔を認識するというのは人間にとって生死にかかわることなので、
脳の中に専門の領域がある。


重要なのは、注意・関心を引きつける刺激を単独で出すのではなく、
メッセージと連動させること。
広告に人間の顔を使う場合、その顔が受け手のほうを見るのではなく、
広告のキャッチコピーに目を向けている構図のほうがいい。


注意・関心を強くつかんだことで、
伝えたいメッセージを邪魔しないように。
ビキニ姿のモデルやハンバーガーで、
メッセージ本体を押しのけてしまわないように注意すること。


多くの研究などで触れられている「かわいい顔」の条件は、
1、鼻と唇の中間点と両瞳の位置関係が逆正三角形(A)
2、顔全体の輪郭(B)が円
3、A/Bの比率が小さい
の3つ。
これが一番あてはまるのが赤ちゃんの顔。


ふつうのものは意識的に探さなければならないが、
怖いものは意識して探索せずとも、
とっさに目に飛び込んでくるというわけだ。


媒体が何であれ、感情を利用すれば、
メッセージの受け手の注意・関心をつかむことができる


どうやら悲しみは避けるべき感情であるらしい


何かに対する不安を巧みに利用した広告メッセージは、
受け手に行動させる力をもっているのだ。


他人事ではなく「じぶんごと」と感じさせるものに、
つい注意を引かれてしまう傾向があるのだ。


なじみのある刺激は脳が処理しやすいのだが、
この高度な気づきを、
意識的な思考は「好み」だと勘ちがいする。


日本でコンビニのおでんが最も売れるのは実は10月。
人の知覚は急激な変化に敏感なために、
温度変化が大きく、急に寒くなる10月に、
おでんへの関心が急上昇するためだと考えられる。
しかも、10月の売上が多いほど
その冬全体の総販売額も多くなる傾向がある。


音、動き、色などのコンストラクトをつけるだけで、
注意・関心をぐっとつかむメッセージになるというわけだ。


「孤立効果」という現象もある。
何らかの刺激が、一緒に提示された別の刺激と
ちがっていれば(つまり、孤立していれば)、記憶しやすい


おどろくというのは、状況を理解し、予測を立て、
今後は制御できるように備えていくために、
学習を手助けする適応なのである。


目線がコピーを見ているほうが効果が高い


わたしたちは誰でも
「謎を解きたい」「理解のすきまを埋めたい」と
思わずにはいられない生き物なのだ。


自分が解けた問題は33%おぼえていたが、
解けなかった問題のことは45%もおぼえていた。
謎が頭のなかにこびりついていたらしいのだ。


好奇心とは、知的獲得と探索行動をうながす適応なのだ。
知ろうとするモチベーションは、
飢えや渇きに対して感じる渇望に近いことが、判明している。


あからさまな不思議や謎でなくても、
遠回しのメタファーでも効果はある。


選択肢が10増えるごとに、
加入率は1.5%から2.0%の範囲で下がることがわかった。


メッセージが長ければ長いほど、
受け手はそれを正しく理解できなくなり、
記憶にも残りにくく、説得力も発揮されなくなる。


オンラインでもオフラインでも、
人間は左上から右下へと読み進める傾向があるため、
重要な情報は左上に配置したほうがいい。
そこにまっさきに注意・関心が向くからだ。
「死角」と呼ばれる右下に広告を出すのは
避けるべきだということになる。


1世紀以上前から、数々の研究で「画像優位性効果」の
存在が主張されてきた。
簡単に言うと、画像のほうが言葉よりも記憶されやすいのだ。


人間は怠け者だ。その怠惰っぷりを甘くみないこと!


わたしたちは物語を使って意味を理解する。
できごとを因果関係で解釈しようとするのだ。


被験者には知らされていないのだが、一部の写真には、
ダサニというブランドのミネラルウォーターのボトルが
さりげなく写っている。
被験者は評価作業のあと、4種類のミネラルウォーターから
好きなものを選ぶように勧められる。
するとグラフに示したとおり、
特定の存在を人の思考に送り込んだだけで、
それを好んで選ぶことがわかった。


反復は記憶のカギなのだ。
繰り返されるたび、記憶のなかで
メッセージの結びつきが上書きされて強くなる。


1つの体験の最初に起きた刺激と、最後に起きた刺激は、
もっとも記憶されやすい。


このせりふに短い文章を足すだけで、
寄付が12%増えることがわかった。
106.72ドルだぅった平均寄付額が119.70ドルになったのだ。
付け加えたのはどんなせりふだったのだろうか。
答えは―
「先ほどメンバーになられた方は、300ドル寄付なさいました」だ。


2つの矛盾する要素が成立したときに、
心のなかに不快感が生まれることを指している。
この内なる不協和音が、
矛盾を解消しようと行動を起こすモチベーションになる。


最初に小さなお願い受け入れられた人は、
大きな要求も聞き入れやすくなるのだ。


なぜそんな行動をしたか、
広告メッセージにどう反応したのか、説明できない。
本人にもわかっていないのだ。


脳のなかに「スポークスマン」がいて、
後づけの説明をでっち上げる。
漠然とした理由ではなく、筋の通った理屈をつけてしまう。


論理と理性だけに焦点をあてたメッセージでは、
たいした成果を得られないのだ。


インスタントコーヒーの訴求ポイントを男性型の簡便化から、
女性型の家族団らんへとシフトさせて
大ヒットに結びつけたわけだ。






engineer_takafumi at 22:17│Comments(0)★一般書の書評 | ⇒ マーケティング・営業

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