2017年11月12日

ジョブ理論

本日はクレイトン M クリステンセン 氏の
ジョブ理論
です。
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

本書は出版関係者の方よりご献本頂きました。
フロンティア・エンタープライズ様ありがとうございました。

本書は『イノベーションのジレンマ』で有名な
クレイトン M クリステンセン氏らによる一冊です。


ドリルを売るなら「穴」を売れ。
顧客が欲しいのは「穴」なのだ。
これは良く聞く話かもしれません。

本書は顧客が本当に欲しいものは何なのか、
それをジョブと呼び、ジョブを中心としていく経営を
どう実行していくかが書かれたものです。

一見簡単そうに見えますが全くそうではありません。
そもそも顧客が本当に欲しいものは、
アンケートで直接顧客に聞いてもわかりません。
(それどころかミスリードされることが多いです)

さらに、首尾よくジョブを見つけたとしても、
企業が成長していく中で、
ジョブから遠ざかってしまうワナもあります。

その中で、どう舵取りをしていくべきか
その方向性を示してくれます。

具体的事例が豊富ですので、
イメージを膨らませやすい一冊だと思いました。

個人的には、
明確に定まった「片づけるべきジョブ」は、
動詞と名詞で表現できる。
副詞や形容詞で表現するジョブは有効でない。
という部分が印象的でした。

とくに中規模以上の企業の経営に携っている、
携わる予定の人には、必読の一冊だと思います。
組織として、顧客のジョブに集中する方法が
わかることでしょう。




どんなジョブのために
そのプロダクトを「雇用」したのか


借り手であるゲストの40パーセントは、
エアビーアンドビーがなければ旅行に出かけなかったか、
家族の家に泊まっただろうというそうだ。
また、貸し手であるホストもほぼ全員が、
エアビーアンドビーが出現するまえは、
一部屋だけにしろ家一軒にしろ、
人に貸そうなどとは思ったこともなかったそうだ。
つまりエアビーアンドビーは無消費とも競ってきたのだ。


できれば避けたいジョブは、
進んでやりたいことと同じくらいたくさんあると思う。
そうしたことを「ネガティブジョブ」と呼ぶ。
私の経験上、ネガティブジョブは
イノベーションの優れた機会であることが多い。


私たちは、医師の助けになると思ってシステムを開発したが、
彼が"雇用"したのは1枚の紙とペンだった。


多くの企業は、どうすれば自社製品がもっと魅力的になるかを
消費者に訊くという危なっかしい策に手を出している。


おむつによって解決される片づけるべきジョブは、
もっと複雑で人間味があった。
夫婦関係や家庭生活に影響する社会的側面も、
人の感情を動かす感情的側面もあったのだ。


消費者は、現行の習慣にはまりこんでしまい、
新しい解決策に乗り換えると考えただけで
怖じ気づくことがよくある。


古いものに引きずられることは、新たな熟慮検討が不要で、
解決策として一定の妥当性があることが感覚的にわかっている。


ある商品から別の商品に乗り換えるときには
摩擦が生じるものだが、
自社製品がすばらしいと信じこんでいるイノベーターは
そうした懸念に無頓着なことが多い。


機能しか提供できない解決策はたやすく解雇される。
一方で感情的および社会的側面が深くかかわる解決策は、
解雇されにくい。


画期的なインサイトは、
あとから振り返ればあたりまえに見えるかもしれないが、
あたりまえであったことはほとんどない。


パーパスブランドとは、顧客が重視するジョブと
自動的に関連づけて考えるブランドのことである。
パーパスブランドは、社外の人にとっては
あなたの会社が何を体現しているのかを理解する指針となり、
社内の人にとってはその意思決定と行動を導く指針となる。


アマゾンは、注文品がいつ出荷されたかではなく、
いつ顧客に届いたかを重視する。


適切な測定方法を整備しておくことは、
プロセスを慣行化するのに役立つ。
正しく行動し、正しく選択しているかどうかが
社員にわかるからだ。


「測れることは実行できる」のである。


スタックの誤謬とは、
技術者が自分のもつテクノロジーの価値を高く評価しすぎ、
顧客の問題を解決するための、
下流のアプリケーションを低く評価しすぎる傾向のことを指す。


フォードとクアルコム社は、自分たちのもつ技術的ノウハウを、
理解もしていない顧客のジョブのために
そのまま当てはめようとしたのだ。
大きな賭けに気をとられ、本当は重要な
顧客向けアプリケーションをささいなものとして軽んじだ。


イノベーションは、経営陣が片づけたいと考えるジョブを
片づける方向に歪められる。


データには、故意か無意識かは別にして、
それをつくり出した人の意図が必ず入りこむ。


規模を拡大中の企業は、ジョブの奥深い複雑さを
特色づけるデータ(受動的データ)を重要視しつづける代わりに、
業務に関連したデータ(能動的データ)を生成しはじめ、
その見かけ上の客観性と精密さに誘惑されやすい。


片づけるべきジョブを形容詞や副詞で説明しているとしたら、
それは有効なジョブではないということ。
(中略)
明確に定まった「片づけるべきジョブ」は、
動詞と名詞で表現できる。


ジョブには適切な抽象度が必要であるということだ。
(中略)
同種のプロダクトでしか問題を解決できないのなら、
それはジョブではないということだ。







engineer_takafumi at 02:57│Comments(0)★一般書の書評 | ⇒ 経営

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