2017年12月03日

親が知っておきたい教育の疑問31

本日は石井 としろう氏の
親が知っておきたい教育の疑問31
です。
モヤモヤが一気に解決!  親が知っておきたい教育の疑問31

本書は出版関係者の方よりご献本頂きました。
オトバンクの上田様、ありがとうございました。

本書は元衆議院議員で、
現在は教育を中心とした市民活動や
民間企業、大学の研究員として活躍されている
石井氏による一冊です。

著者は教育の現場を見るために、
46歳で教育実習生として母校の教壇に
立たれたそうです。

政治世界、学校の教育現場、民間企業、国会、
そして一児の父親として、
様々な立場からの経験と知識をもとに、
子どもの教育に向き合う親へのヒントを説きます。

教師という職業は、「きれいごと」が多いものです。
政治の世界からみた著者の視点は、
きれいだけではすまされない
公務員の限界を浮き彫りにします。


個人的には、
ドイツはシチズンシップ教育についての記載が
印象的でした。


中学生くらいの子どもを持つ方で、
教育方針に悩んでいる方にお勧めの一冊です。
子どものために何ができるのか
おぼろげながら見えてくるかもしれません。





なぜこうも教育問題には主観が飛び交うのでしょうか。
それは誰もが教育について「原体験」を持っているからです。
かつては誰しも「生徒」でした。
だから教育問題に関しては誰もが一家言を持ち、
しかも主観で語ってしまいがちなのです。
しかし、そういった発言の根拠はほんの一面の
真実でしかありません。


学校の教育力が落ちたと言われる要因には、
学校を取り巻く環境の進化や、
学校外の教育力が上がったことによる、
相対的な低下があることも知っておくべきでしょう。


私が5年ほど前に視察に行ったシンガポールの学校は、
たしかに事務職員が多く、驚きました。
世界の教育現場では、学校の先生が事務的な仕事に
時間を費やしているのは異質なのです。


子供に節目節目で「将来何になりたいか」と聞いて、
親子で進路の話をすると、
子どもの勉強時間が増える傾向があるのだそうです。


目的もはっきりしないまま「何となく」で塾に行かせ、
その教育費を捻出するために親が無理をして働くなんて、
本末転倒です。


学力が上位の子どもは、下位に位置する子たちよりも、
より定期的に運動している傾向がみられました。


当時、国会議員だった私は、
東京電力福島第一原発事故が発生した数日後、
先輩議員の呼び出しを受け、連日、
東京電力本社に詰めていました。
そこでは、非常時においてもマニュアルに頼ろうとする、
異様とも言える光景が広がっていました。
"想定外"の事態に直面しているにもかかわらず、
普段どおりのマニュアルにすがる姿は、
まさに究極の「生きる力の欠如」であったと思います。


学校が政治の話題を避けるばかりでは、
子どもたちは政治や社会に対して
自分の意見を持つ機会を失ってしまいます。


ドイツの取り組みもとても参考になります。
未成熟な民主主義がナチによる全体主義を
許してしまったと反省し、
戦後のドイツはシチズンシップ教育に
積極的に取り組んできました。


有名なのが「ボイテルスバッハ・コンセンサス」
と呼ばれる政治教育の原則です。これは、
1,圧倒の禁止の原則
(教師は自分の考えを生徒に押し付けてはならない)
2,論争性の原則
(学問的・政治的に論争がある事柄は、論争があるものとして伝えなければならない)
3,生徒志向の原則
(生徒ひとりひとりが自分の関心や利害に基づいて、政治に影響を与えられる能力を身につける)
の3点が定められています。


学校ですら「"ゆとり"だから塾に行くように」
と話したと耳にしました。





engineer_takafumi at 15:23│Comments(0)★一般書の書評 | ⇒ 勉強・教育・心理

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